高等専修学校の治療教育

 

高等専修学校では、自閉症児教育の最終教育現場として、学園を巣立った後、家庭を生活の基盤とし、日中は地域社会の中に働く場を確保し、余暇を家族とともに過ごすという社会人として当り前な生活を営むことができるように育成することを目標に掲げています。職業教育と混合教育を柱として、生徒一人ひとりの個性を伸ばすとともに社会自立に必要なスキルを身につけていきます。社会の縮小版ともいうべきクラスでは、健常児・自閉症児という枠をはずした習熟度別編成となっており、学園のモットーである「友愛の心」を基調に、実社会に出る前段階の指導が行われています。

 また、生徒は、総合キャリア学科の専門6コース(絵画、陶芸、体育、調理・製菓、ファッション、情報ビジネス)の中から各自の興味や適性にあったコースを選び(半期ごとにコース変更可)、専門教諭の指導のもとに実力を養い、各種の検定資格を取得して、社会自立を目指して着々と準備を進めています。

●混合教育とバディシステム

 本校の混合教育の中で、健常児と自閉症児がペアを組んで授業を受けたり、行事に参加したりすることをバディと呼んでいます。様々な場面で健常児が自閉症児を適度にサポートし、自閉症児の自立を上手に促しています。しかし、これは自閉症児への一方的なものではなく、健常児も自閉症児に支えられ励まされて自分の道を切り開いていくのです。まさに共生・ノーマライゼーションの実践であるといっても過言ではありません。

●将来を見据えた学習活動

 比較的自閉症児の多いC組では、週3時間作業実習の時間を設け、職場実習に備えています。また、週2時間、音楽の時間を設けて余暇活動をかねた歌唱指導等も行っています。さらに、山梨県南アルプス市において、農業分野での就労の可能性を追求することを目的とした農業従事研修も実施しています。また、全ての自閉症児に対して校内実習(1年次1回/2年次2回/3年次1回)を通して学校生活と社会生活の違いを模擬的に体験し、仕事(作業)に対する姿勢を月曜日から金曜日までの5日間、独自のカリキュラムで集中的に学ぶ時間を設けて、職場実習に臨んでいます。

●職場実習と進路指導

 学校生活においては、何ら問題がなくなっても、新しい環境に対する適応力は弱いので、より確実に社会自立させるための方策として、2・3年次に職場実習を体験させています。2年次の職場実習は、体験的要素が多く含まれているもので、3年次のそれには採用内定をいただき社会自立していくという目的をもって行っています。進路決定にあたっては、家庭はもとより事業主やハローワーク(職業安定所)などと密接な連携を取りつつ、きめ細かく指導しています。これまで就職した者の主な職種は、製造、事務、調理、商品管理、接客、ビルメンテナンス、リネン、介護サービスなどです。また、大学・専門学校や職業能力開発センター等に進学した生徒もいます。

●卒業生(自閉症児)の進路

 平成26年4月現在、859名の自閉症児が卒業しました。そのうち企業等への一般就労は454名(53%)、作業所等への福祉就労308名(36%)、専門学校等の上級学校への進学者は87名(10%)となっています。

       

 校内実習の様子                 農業従事研修の様子  

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