専修学校には、中学卒業者を対象とした高等課程(高等専修学校)、高等学校卒業者を対象とした 専門課程(専門学校)、これら以外の教育を行う一般課程の3つの課程があります。
専修学校は学校教育法に定められた正規の学校であり、高等学校や大学などと同様に一定の基準に基づいて設置認可されています。どの課程も職業や実際生活に役立つ教育をモットーとし、制度の柔軟さをフルに活かして、特色ある教育を行っています。
課程名 | 入学資格 | 学校の名称例 | |
---|---|---|---|
単独課程の場合 | 併設の場合 | ||
專門課程 | 高校卒業以上 | ~専門学校 | ~専門学校 |
高等課程 | 中学卒業以上 | 〜高等専修学校 | |
一般課程 | 限定なし |
高等専修学校(専修学校高等課程)は、中学卒業者を対象に実務面にウエートをおいた教育を
行っています。
個性を尊重した教育の大切さが求められるなかにあって、高等専修学校は多様化する生徒
のニーズに応える後期中等教育機関として、非常に重要な役割を果たしています。このため、
国や地方公共団体においても高等学校に準じて振興が図られ、社会的にも高等学校と並ぶ
後期中等教育機関です。
専修学校は、文部科学省により「工業」「農業」「医療」「衛生」「教育・社会福祉」「商業実務」「服飾・ 家政」「文化・教養」の8つの分野に分類されています。
令和 4 年度の学校基本調査によれば、都内にある私立専修学校 384 校のうち、高等課程を設置 しているのは 40 校です。医療関係(おもに准看護)、衛生関係(調理、製菓、理容・美容)、文化・教養 関係の学科を置く学校が多く、なかには複数の分野の学科を持つ学校もあります。
専修学校の高等課程には、学科によって1年制から5年制までいろいろなコースがあります。
高等課程の3年制を卒業すると、専門課程(専門学校)に入学することもできますし、大学入学資格付与(高等学校卒業程度)指定校の学校であれば、大学や短大を受験することも可能です。
この指定校制度ができる以前、高等専修学校修了者は大学入学資格が認められていませんでした。このため、3年制の高等専修学校修了者であっても大学・短期大学に入学できないばかりか、高等学校卒業を基礎資格とする各種の国家資格についても受験の機会が奪われていました。そこで、大学入学の機会を拡大するとともに、後期中等教育の多様化・活性化に資することを目的に昭和60年9月「大学入学に関し高等学校を卒業したものと同等以上の学力があると認められる者」の規定が一部改正され、この指定校制度が加えられました。指定の主な要件は修業年限が3年以上で総授業時数が2,590単位時間以上(普通科目の総授業時数が420単位時間以上)などとなっています。
第11章 専修学校
第124条 第1条に掲げるもの以外の教育施設で、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として次の各号に該当する組織的な教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規程のあるもの及びわが国に居住する外国人を専ら対象とするものを除く。)は、専修学校とする。
第125条 専修学校には、高等課程、専門課程又は一般課程を置く。
2専修学校の高等課程においては、中学校若しくはこれに準ずる学校を卒業した者又は文部科学大臣の定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められたものに対して、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて前条の教育を行うものとする。
3専修学校の専門課程においては、高等学校若しくはこれに準ずる学校を卒業した者又は文部科学大臣の定めるところによりこれに準ずる学力があると認められたものに対して、高等学校における教育の基礎の上に、前条の教育を行うものとする。
4専修学校の一般課程においては、高等課程又は専門課程の教育以外の前条の教育を行うものとする。
第126条 高等課程を置く専修学校は、高等専修学校と称することができる。
2専門課程を置く専修学校は、専門学校と称することができる。
このほか「専修学校設置基準」(文部科学省令)により、授業時数、教員数、教員資格、校地・校舎の面積等が詳細に定められている。 また、平成24年4月1日より専修学校における単位制・通信制の学科の設置が可能になった。(平成24年文部科学省令第14号)