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学園の教育方針
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本学園の教育の特色について

        理事長 寺田欣司

 武蔵野東学園の教育にご関心をお持ちいただき、このページを開いていただきありがとうございます。本学園は『混合教育』と『生活療法』という、日本はおろか世界にも例のない教育システムを持つ学園です。この学園の教育がお子さまにどのような影響を与えるか、学園創立以来変わることなく守ってきた教育方針と併せてご説明いたします。

 混合教育』と『生活療法』を行っている本学園の教育方針の二つの柱は「自立」と「心の教育」であり、そしてそれを支える「親と教師の協同体制」に特色があります。
 本学園は健常児、自閉児を問わず、幼稚園時代から高等専修学校生徒に至るまで、子供の成長に即し、一貫して「自立への指導」を行っています。幼稚園においては、入園後早い時期から親の手助けを最小限にするための生活自立訓練を行い、小学、中学生と成長するに従い、与えられた目標の達成に挑戦する、自分で自分の目標を立てられるようにする、さらに目標を高く持つ習慣をつけます。そして中学時代から確かな職業観を養わせ、高等専修学校では職業教育に重点を置いていきます。
 この教育方針の実践は、小中高においては長年の実践の中から開発された「プランノート学習」というユニークな教育方法によって行われます。小学校高学年になりますと、子供たちは教師の指導を受けながら、自分の目標を設定したプランカードを作ります。書き入れる目標は、中学、高等専修と進むにつれ、徐々に教師の指導を受けずに自ら学習計画、行動計画を立てることとなります。つまりプランノート(プランカード)による学習は、昨今公教育の場において声高に叫ばれている個性重視、習熟度別学習の実践にほかなりません。
 そしてこのプランノートには、教師のみならず親もコメントを入れるスペースが設けられています。したがって子ども自身が自分の目標にまい進するそのプロセスを、教師と親とが観察し、教師と親のアドバイスがプランノートに記録され、それが蓄積されてゆくのです。こうして児童、生徒は教師とも親とも対立関係ではなく、同じ方向に向けて協同関係をつくるのです。もちろん教師と親の関係も、当然ながら協同関係です。つまり、児童、生徒そして教師と親、この三者が同じ目標に向かうための道具立てがこの「プランノート学習」でもあります。
 「プランノート学習」の方法による教育実践は、当然のことながら教師に大きな負担を強いることになります。そのため学園は在籍児童生徒数と比較し一般の公立学校の倍に相当する教師が教育の現場に立っております。子供たちは教師と親の励ましを受け、自分で作った目標にまい進する、さらにはより高い目標を自分で設定する習慣を養うのです。そして親はその過程をプランノートによって確認できるのです。自分で自分の行動計画を立てることができる、これは社会的自立への大きな第一歩です。

 学園はそれ以外に子供の自立を促す、さまざまな工夫をこらしています。幼稚園では年中さんになってすぐお泊まり訓練が行われます。さらに本学園の一つの特徴は、学園行事が多くあることです。さまざまな学園行事では、教師の指導は受けるものの、児童、生徒の自主的な企画、運営を特に重視されており、子供たちの知恵と才覚、そして自立心を絶え間なく刺激します。この学園行事においては、親の出番が非常に多いのが特徴の一つになっています。これは学園行事もまた、子供を挟み教師と親が協同する場とするためです。そして子供たちはまた、家にいるときとは別の自分の親を発見するのです。
 学園創立者の一人、北原キヨ博士はこんな言葉を残しています。
 
「子ども不在な子育て 論理 頭の中で考え悩むことでなく 親自身が率直に子の前に立つことである。いわば親の後姿、教師の後姿の中で 子が育つのである」

 子供たちの社会自立を確かなものにするには「心の教育」が必要です。ここ数年、学校教育の現場で子供が起こした恐ろしい事件が頻発し、「心の教育」の重要性が叫ばれました。その「心の教育」とは何を指すのか。それは他者に対する思いやりの心を育む教育に他なりません。どんなに学力、能力を磨いても、周囲の人に受け入れられなければ、真の社会的自立はありません。周囲の人々に受け入れられるとは「他人の心が分かり、自分をそれに合わせることができる」ことが必要です。つまり、「心の教育」は社会的自立のために必要不可欠なものです。

 ある人は言いました。
  「教養とは他人の心が分かることをいう」

 そして教育は教養を高めるために行われるものです。つまり「心の教育」がない教育は、片手落ちの教育なのです。
 本学園には多数の自閉児が通学しており、健常児と生活を共にしています。こうした環境の中で育つ健常児たちは、自然に障害ある友達に対する思いやりの心、他人に対する思いやりの心を育みます。
 本学園が創立以来実践してきた『混合教育』のシステムは、日本はおろか世界にもその例を見ません。しかし、本学園の教職員は、『混合教育』が、自閉児の自立のための環境つくりとして適していること以上に、健常児たちの健やかな心の成長、そしてそれに続く真の社会自立に大きな教育効果を見せていることを見て取ってきました。
 とりわけ健常児たちへのよい刺激となっているものは、自閉児たちの自立に挑戦する姿です。自閉児たちの教師の指導を受けながら、長い時間と根気をもって繰り返し訓練に励む姿は、健常児たちのがんばり精神を自然と育むのです。『生活療法』は自閉児に対して気の遠くなるような毎日の繰り返し訓練を行うものだからです。
 障害を持つ子供を抱える親たちは、子供が学校でどうしているか、健常児の親には想像もつかない強い関心を示します。ですから障害児の親たちは、学校活動に積極的に関与し、また教師との深い対話を重視します。そして健常児の親たちはその刺激を受け、学校行事に積極的に参加し、また教師との交流を深めます。 こうして本学園では他の学校に見られないような、教師と親が子供を挟んで協同する環境が自然と育まれるのです。また保護者の皆様も本学園活動を楽しんでいただきたいと思います。
 今ニートが社会問題の一つとなっています。何が二-トを作り出すのか、いろいろな理由が考えられますが、その中に間違いなく存在すると思われるのは、親の過保護、過剰介入、さらに教育現場においては受験ブームに踊らされて学力偏重に陥り、子供の自立心の涵養に手抜かりがある、それらが根本原因と考えられます。とりわけ学力偏重は現代社会において、親と教師がそれを増幅させているようにも思います。
 子供になぜ教育を施すか、それは子供が自分自身で自分の人生目標を立てられるよう、社会的自立を確かなものにするために行われるものです。学力の向上を目指すことは、より高い目標を立てそれを実現するための、そして社会的自立のための手段です。このとき手段と目標を取り違えれば、学力はあっても頭でっかちで、他人を思いやる気持ちに乏しい、周囲の人々に受け入れられがたい、真に社会的自立できたとはいえない大人ができることになります。「学力の向上」と「心の教育」は「教育の実践」においてまさに車の両輪なのです。
 自立と心の教育」そしてそれを支える児童、生徒と教師そして保護者、この三者が一体となってかもし出すハーモニー、これが武蔵野東学園の教育の最大の特徴です。


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