校長の独り言【83】 



 今朝の8ch「めざましテレビ」の特集で、教育再生会議の第一次報告を受けて、「教員の質の向上」という課題の中で、実際の教育現場である都内のある公立中学校の先生方の一日を追った番組が流れていました。まず、朝7時から部活の顧問としてのバレー部の朝練の指導、なぜ朝練をするのかという質問に対して、その先生は「強くなることだけではなく、今の生徒は生活リズムがつくれないので、部活の朝練を通してそのリズムをつくることが目的なのです」と答えていました。8時、その先生は昇降口に立って生徒の受け入れをしていました。9時、職員室では、登校していない生徒の自宅に多くの先生方が電話をしています。そして授業が始まりました。学校週5日制導入前は週6時間あった空き時間が、今は4時間と言うことで、校内を走る先生方の映像が流れました。さらに生徒と一緒に配膳をして食べている給食風景。そんな中、今の時代を象徴するような風景がありました。それはいろいろなサイト内の掲示板への書き込みのチェックでした。過去その中学校では掲示板への書き込みによって暴力事件が起き、それ以来、予防教育の観点から日々掲示板をチェックするようになったとのことでした。そして放課後、部活指導、補習の様子、職員室では、給食費未納者への納入のお願いの電話、さらには生徒下校後の学区内の非行見回りが夜の9時ぐらいまで、夏場は10時位までと言っていました。ただ、学区制が廃止されたので回る範囲が年々広くなっているとも言っていました。最後に、その先生に記者が大変ですねと質問したところ、「目の前に生徒がいる以上、私の仕事ですから、ただ、我が子にその影響がでることが申し訳ないと思っている」と答えていました。最後に、200人の先生方への「自分もしくは自分の回りに、過労で倒れた先生がいますか」とのアンケート結果がありました。その結果は何と38%でした。しかし、それ以上に、自分の仕事によって、「我が子にその影響がでることが申し訳ない」と言う言葉が私には大変印象に残りました。
 手続き論に時間を費やすことも大切であると思いますが、やはり、この現状の解決のためには早い対応こそが必要ではないでしょうか。やはり、教員は、子どもたちに相対するときには、身体的にも精神的にもベストの状態で臨まなければならないと思っています。

 

校長  情報ID 17242 番  掲載日時 02/02/2007 Fri, 13:18