校長の独り言【165】 



 【164】の補足をいたします。
 そこには、専修学校制度が誕生してからの30年の時代的、社会的な背景があり、専修学校制度誕生当初より、専修学校の中に高等教育機関と後期中等教育機関が混在すること、また専門学校の数の多さによる数の論理により、高等専修学校は広く国民に認知されにくい学種であることが大きな原因の一つになっています。
 この問題解決の為に、次のような先人達の努力と社会的背景がありました。 
1.先人達の努力
社会的認知の獲得、更に高等学校との格差是正のための運動を展開し、以下のものが現在までに段階的に高等学校との同等を実現してきた歴史があります。

・昭和60年9月 「大学入学資格付与指定校」が認められる
・昭和62年4月 人事院規則改定に伴い、国家公務員採用試験受験資格が認められる
・平成 5年4月 学校教育法施行規則の改正等により、高等専修学校における学修等を、高等学校が単位数の一部として認定されることとなった。
・平成 5年5月 高等学校体育連盟主催大会への参加が認められる
・平成 6年6月 JR通学定期券割引が3年制の大学入学資格付与指定校に限り、高等学校と同等になる
・平成16年3月 公共職業安定所の職業紹介業務の取扱が高等学校と同等になる

2.後期中等教育機関のこの30年の社会的背景
この30年の歳月の中で高等専修学校こそが、時代の流れをいち早く察知し、子どもたちのために臨機応変に対応してきました。

・15歳人口の多い時代に、「15の春を泣かすな」の合言葉の中で、高等専修学校は公私の高等学校の大きな受け皿となり、中学校浪人の対応をした。

・高校中退や不登校の生徒をいち早く積極的に受け入れ、職業教育を通して社会人としての資質、職業人としての技術・資格、更には自信を身につけさせ実社会に送り出している。さらに、最近ではフリーター、ニート対応まで行っている。

・特別支援教育に関しては、既に高等専修学校は高等学校よりも早い対応を始めている。

 このように、後期中等教育機関の中で、高等学校ではすぐに対応できない教育諸問題の解決のために、現行制度の中で高等専修学校は、様々な個性の生徒に対して、職業教育を通しての教育支援、再教育をいち早く施すことのできる必要不可欠な学校群であると言えます。

校長  情報ID 25377 番  掲載日時 06/18/2008 Wed, 09:51