校長の独り言【248】 



 こんな記事がありました。
『都市部を中心に公立高校定時制の入試に志願者が殺到し、例年にない多くの不合格者を出す事態が起きている。朝日新聞が各都道府県教委に確認したところ、少なくとも18都道府県の計700人以上は定員超が原因で最終的に不合格になっていた。』
 何故このような事態になったのでしょうか、家庭における経済的な問題だけなのでしょうか。
 私が15歳の時には、定時制高校は、働きながら学ぶ人たちのための学校でした。しかし今は、全日制高校を中退した人、中学校の時に学校に行っていなかった人や、高校受験がうまくいかなかった人もいます。定時制高校に来ている人には、それぞれの事情があり、もう一度やり直そうと思っているようです。
 中学校卒業後の学校である後期中等教育機関は、正に大きく様変わりしてしまっているのが現状です。一言で言うと、社会の変化から、従来の高等学校では学びにくい生徒が増加していると言うことです。その証が、高校中退、不登校生徒の増加。それに伴って、定時制高校、通信制高校、サポート校が増加し、公立高校は、この事態に対応すべく様々な改革を進めている実態があります。
 大変生意気な言い方ですが、これらすべては対処療法に過ぎないと私は思っています。一番多感なこの時期だからこそ、集団の中に身を置き、多くの喜怒哀楽を通して人間的な成長が必要であると考えます。また、公立高校改革の中にはフレックスの学校がありますが、高卒求人で最初からフレックスの会社は皆無なのが現状ではないでしょうか。多感な時だからこそ、今学ぶ必要があるのではないでしょうか。人間的成長の伴わない、高校卒業資格取得だけのペーパー高卒の増加は、21世紀の日本に大きな影響を与えるような気がしてなりません。

校長  情報ID 34060 番  掲載日時 11/25/2009 Wed, 14:16