校長の独り言【323】 



 先週は、週の前半に学内の会議等、後半に1年C組の入学後はじめての農業従事研修への同行。そして今週は、年度初めと言うことで、加盟しています複数の私学協会の決算総会等が入っていたため、校長の独り言も言い訳のようですが2週間ほど空いてしまいました。

【最近あったうれしい話】
 それは、先週の1年C組の農業従事研修での出来事です。当然、生徒たちの学校生活では見ることの出来なかった新たな一面をいっぱい発見することができたことが最大の収穫です。
 それ以外にも、うれしかったことがあります。昨年までは、ブルーベリー畑のチップ(おがくず)まき作業は、一輪車(※通称:ねこ)にスコップでチップを積み、根元まで運び、敷き詰めるものでした。ところが今年は、ブルーベリー畑の責任者である中山さんが昨年度までの反省の上に、更には本校生徒の個性を考え、各自がバケツを利用することを考えてくださいました。バケツの利用によって作業に取り組みやすくなり、作業時間を大幅に短縮することが出来たのです。このような工夫を、我々教員ではなく、現地のNPOの皆さんが、本校生徒のこと真剣に考え、対応して頂いたことがとても嬉しかったのです。ですから、5反のブルーベリー畑(約5,000㎡)を予想していた時間より遥かに早くやりきったのです。
 5反のブルーベリー畑のチップまき作業を一人で行おうとすると、私であれば、作業開始までに相当な心の葛藤があるように思えます。

【最近あったかなしい話】
 私学協会の総会で、昔から懇意にして頂いています福島の先生と震災後はじめてお会いしました。震災後にメールで近況を知らせて頂いていましたので心配はしていなかったのですが、やはり直接お顔を拝見して安心しました。先生から、地震、津波、原発、風評被害の福島の現状をお聞きして、改めて、自分たちに出来ることを直ぐにでも実行に移さなくてはいけないと痛感させられました。
 中でも、風評被害の話の中で、「小学生が修学旅行に行き、福島から来たと知ったとたんに、放射能を浴びていると言われた」、「福島ナンバーの車は、県外では色々な形で嫌がらせを受けている」等のお話しがありました。私の回りには、一人もそのような言動をする人がいませんし、マスコミもこのような現状をほとんど伝えていません。この現状をお聞きして、本当にかなしい気持になりました。
 以前にも書きましたが、東日本大震災以降、世界の国々の人々は、復興に立ち向かう日本人について、自分の国との比較から、秩序(暴動、略奪等がない)を保ち、復興に向けて懸命に助け合う様を見て、日本の国民性を高く評価してくれています。しかし、この世界の評価は間違っているとしか思えません。この風評被害の現実がいまだに改善されない日本を、一人の日本人としてかなしいです。

校長  情報ID 42503 番  掲載日時 05/27/2011 Fri, 10:19