校長の独り言【339】 



 1、2年生は昨日より前期試験が始まり、3年生は進路決定に向け、入試広報室は次年度の生徒募集のために今日も広報活動にと、みんな一生懸命取り組んでいます。
 そんな時に、9.26号のAERAにこんな記事が載っていました。「卒業生の45%はニート予備軍」通信制高校の現実。非常にショッキングな見出しでしたので、思わず買ってみました。この記事を読んでみると、いかに、既存の高校では学びにくい生徒が増加しているか、そして、キャリア教育・職業教育が欠如しているかがわかります。
 ですから、私から高等専修学校の説明機会ある度に、次のようなポイントで説明をしています。
①現在社会の問題点
15~24歳の若年層の完全失業率約9%、非正規雇用率約32%、フリーター183万人、ニート約63万人、新規学卒者の早期離職が中卒7割、高卒4割、大卒3割、高卒就職内定率77.9%・大卒就職内定率68.8%、卒業後に就職も進学もしない大学生15万人、高校生5万人、これが今の日本の現状であること。
 
②後期中等教育機関の現状
既存の高等学校で学びにくい生徒の増加に伴い、通信制、定時制の生徒の増加、この10年間で通信制高校の学校数は2倍以上に増え、1/3は1年間で1単位もとらず、卒業生の4割は、就職も進学もしていない、かつ定時制高校の様子もすっかり様変わりしてしまった。この現状から、京都府は定時制・通信制在り方について再検討に入るとのこと。

③高等学校と高等専修学校の格差はない
高等専修学校も高等学校等就学支援金の対象校であり、その他の保護者授業料等負担軽減も同様である。卒業後の進路に関しても、高等教育機関への進学、就職は高卒求人、公務員試験は人事院規則で高等学校同様に初級対象であり、生徒にとって格差は存在しないこと。

④この問題解決のためには
既存の学校において、キャリア教育・職業教育の欠如が最大の問題点であり、この悪循環を止めることが出来るのは、既存の学校制度の中で、高等専修学校が最短距離にいると考えていること。
 
 高等専修学校を早くから知っていれば、もしかしたら遠回りをせずに人生を歩めた人がいっぱいいるように思えてなりません。この高等専修学校の教育を、もっと多くの人に理解してもらえることを願っています。

校長  情報ID 44170 番  掲載日時 09/21/2011 Wed, 12:20