校長の独り言【392】 



 キャリア教育・職業教育の必要性

 文部科学省が毎年実施している、学校基本調査の平成24年度速報版を入手しました。この少子化と公立学校改革の影響で、元号が昭和から平成になった時から減少を続けていた高等専修学校の生徒数が、20年ぶりに約1,000人増加し、減少に歯止めがかかったのです。高等専修学校を愛する者として最高の喜びでありました。
 なぜ20年ぶりに約1,000人増加したのか、その理由は、やはり高等学校と同様に「就学支援金制度」の対象になったことにより、少子化と公立学校改革が進む中で、高等専修学校の存在をご存じなかった40才代以下の中学校の先生方や保護者の皆さんにも、徐々にではありますが高等専修学校という学種が正しく認知されてきた証であると思っています。
 
 更には、若年層の完全失業率、非正規雇用率、新規学卒者の早期離職、フリーター、ニート、卒業後に就職も進学もしない大学生、高校生の問題。そして、いじめ、学級崩壊、不登校、高校中退者と、マスコミで頻繁に取り上げられているように、今の教育界は実に多くの課題を抱えているかが分かります。
 これは原因別に大きく2つに分けることが出来ると私は考えています。
まずは、若年層の完全失業率、・・・・・の問題は、やはり、キャリア教育、職業教育の欠如に問題があり、普通教育重視の施策が進められてき後遺症であると考えています。
もう一つは、いじめ、・・・・・の問題は、明らかに、思いやり、優しさ等の涵養であるべき人間教育の欠如が原因であると考えています。

 このような状況下で、職業教育と人間教育を日々展開している学種が、現行の学校制度の中で唯一、『高等専修学校』なのです。

 高等専修学校は8つの分野からなり、各分野の特性を生かし、職業教育の中に目的意識を持つ生徒や、現行の高等学校では学びにくい生徒に対して、正に、普通科・専門学科・総合学科といった学科を越えて、多様化する生徒のニーズにいち早く柔軟に応え、職業教育と人間教育を通して、多くの生徒の人間的成長に大きな成果をあげている事実があります。
 高校ではありません。しかし、このように高校と何の遜色もありません。そして、各校ともマンモス校ではありません。家庭的な学校がほとんどであり、卒業後の進路決定に関しても、非常に丁寧に指導しているのも高等専修学校の大きな特徴であると思っています。

 その高等専修学校の中の1校が、本校なのです。

 武蔵野東技能高等専修学校は、職業教育と人間教育をテーマに。
  ○職業教育
    →挨拶、礼儀等から始まる「総合キャリア学科」
  
  ○人間教育
    →人間教育にとって、最高なステージの「混合教育」

校長  情報ID 50373 番  掲載日時 10/10/2012 Wed, 11:53