立ち位置から学ぶ 



 5月の連休が終わり天候も安定してきたこの時期は、校外での活動を多く予定しています。すでに5ABの茨城での田植え、4~6CDEの宿泊学習、6AB組の国会議事堂見学は終わりました。学校とは違う環境の中、1年生から積み上げている集団行動をしっかりと行いながら、たくさんのことを目で見て、耳で聞き、肌で感じ取ってほしいと思います。

 さて、普段から登下校の態度には気をつけるよう指導していますが、天候に応じての歩道の歩き方、バスや電車での身体の不自由な方やお年寄り、怪我をしている方などへの席の譲り方など、状況に合わせて適切に対処することは大人でも難しいことです。

 先日、私も登校時刻のバスに乗り、子どもたちの車内での様子を見てきました。乗車中は一言も話をすることなく、降車時には運転手さんに聞こえる声量で「ありがとうございました。」と言って元気よく降車していきました。

 バスの中は静まりかえっており、大きな声で会話をしていなくても、周囲の方に耳障りな思いをさせてしまいそうな雰囲気です。ところが、途中から数名の高校生が乗車してきて雰囲気が一変しました。

 この高校生は小さな声ではありましたが、会話を始めました。自分たちだけで話しているので、会話の音量の基準は自分たちです。小さな声で話しているから、周囲へは迷惑をかけていないと思っているのかもしれません。しかし、目的地までのわずかな時間だけでも休もうと思っている人からすると気になる声でした。

 つまり、そのときどきのマナーや常識のラインは、基準がどこにあるかで変化するということです。そして、あえて公共の場でのマナーや常識はどこにあるかと問われたら、「その場にいる誰もが気持ち良く過ごせること」が一つの目安になるのかもしれません。

木村 修二  情報ID 53876 番  掲載日時 05/14/2013 Tue, 18:11