ちょっとした思いやり 



 梅雨に入ったにもかかわらず、雨の少ない日が続いていましたが、台風の接近の影響もあり、ようやく梅雨らしくなりました。

 傘をさすことの多い時期になると、「江戸しぐさ」の中にある「傘かしげ」が頭に浮かんできます。子どもたちの登校風景を見ていると、歩道は右側を2列で歩く約束になっていて、以前と比べると意識がとても高くなり、注意する回数も減ってマナー良く歩けるようになってきました。しかし、雨の日は傘をさしながら歩かなくてはいけません。当然のことですが傘の幅があるために2列で歩いてしまうと、普段の3列分の幅になってしまいます。この時に「傘かしげ」の心が働けば、1列で歩いた方が反対から歩いて来る人の迷惑にならないことに気づくことでしょう。

 江戸しぐさの中には、他にも「こぶし腰浮かせ」「肩引き」「聞き上手」などなど、たくさんの人間関係を円滑にする知恵があります。まだまだ鬱陶しい梅雨が続きますが、水不足や草木、農作物には欠かせない雨でもありますので、心穏やかに「江戸しぐさ」の心を忘れずに過ごしていきましょう。

木村 修二  情報ID 54485 番  掲載日時 06/14/2013 Fri, 15:31