褒め上手 叱り上手 



 目下の人から慕われるにはどうしたらよいかと悩んだとき、まずは相手の長所を認めるようにすることが挙げられます。とにかく褒めてあげることが人間関係を良好にするとともに、人を育てる最善の道だと考えられるからです。

 職場において自分が上司である場合は、どうしても部下に対して叱責や指導をしなければならない場面が多くなり、褒めたくても褒めることができなくなってしまいます。
 
 このような時は、至らぬ点を指摘するだけでなく、できる限り「褒めながら叱る」と良いのです。例えば、提出された書類の内容が今一つでも、「文章は上手にまとまっているね。課題に対しての考察をあと少し深めれば最高だよ。」とか、的外れな意見や発言に対しては、「まずは、ここで発言することは大切だな。議題の方向性をもういちど考えてみようか。」などと、やる気を損なわぬように課題を示してあげると聞いた側は発奮するものです。
 
 ご家庭でも同じようなことがあるでしょう。こどもに対して、少し前に注意をしたにも関わらず、同じことをされてしまうとつい感情的に叱ってしまうものです。親子の間では、褒めるよりも叱ったり注意したりする場面がついつい多くなってしまいますが、些細なことでも褒めて認めてあげることで、こどもの状況は良くなるものです。
 
 また、相手に誠意をもって接することも大切です。頼んだことをやってもらった後には、必ず「ありがとう」といった感謝のことばを添えましょう。そういう労いの気持ちは、つねに相手の立場でものを考える「心遣い」から生まれてきます。
 
 しかし、褒めてばかりではそれが当たり前になってしまい、褒められるための行動を第一に考える人間になっていってしまいます。これでは本末転倒ですので、褒めることと叱ることをバランスよく示すことを心がけてみましょう。

木村 修二  情報ID 65580 番  掲載日時 06/22/2015 Mon, 19:27