あきらめない 



 なにか大きな物事を成就させようと思い立ったとき、いきなり究極の願望をかなえようとせずに、等身大の願望から徐々にトライしていった方が良いというのが一般的な考え方でしょう。しかし、どんなことがあっても絶対に最後まであきらめないという志があるならば、一見かないそうにない大きな願望の達成からチャレンジしても良いのかもしれません。それは、必死になってその思いを貫き通そうとすることで、潜在意識が強い力を発揮するからです。

 強く願えば、情熱や信念が高まり、現状を打破しようと目標に向かって必死に頑張れるようになってきます。それらがとてつもないパワーとなり、潜在意識に強烈に刻印されていきます。すると、ただでさえ強力な潜在意識が「火事場の馬鹿力」を発揮できるようにさせ、普通では信じられないような現象を呼び込んで、不可能を可能に転じさせるようになるものなのです。 

 先日、武蔵野東小学校の卒業生である「なでしこジャパン」の岩渕真奈さんが来校しました。先日のFIFA女子ワールドカップ カナダ2015で準優勝し、その報告に来たのです。ところで彼女は、6年生の時の「朝の会」で「好きな言葉は『あきらめない』」というテーマでスピーチをしています。その中の一節に、「最初からあきらめていたら、絶対に良い結果も出ないと思います。だから私は目標を持っていろいろなことに挑戦した方が良いと思います。……」とありました。まさに冒頭に述べたことを彼女は実践し、惜しくも敗れはしたものの、世界一まであと一歩というところまで登りつめたのです。

 けれども、大人であれ子どもであれ、目標を達成するのは容易なことではありません。信念や情熱の強さが良い結果を運んでくるものだとは思いますが、実はここで本当に学んでほしいのは、結果だけに捉われない「努力する価値観」なのです。「努力なくして成功なし」。こどもたち一人ひとりが、そうあってほしいと願っています。

木村 修二  情報ID 65999 番  掲載日時 07/14/2015 Tue, 08:24