ちょっとした言葉がけ 



 幼いころ、大人から叱られて傷ついた記憶はありませんか。もちろんこどもですから、不注意であったり、知らないことであったり、ふざけてしまったりしたことで注意されたのでしょう。注意する側はこどものためだと思って言葉をかけるのですが、こどもが「そうか、気をつけなくては」と素直に捉えられる時と、「(ぼくは・わたしは)ダメな子、悪い子なんだ」と心が傷ついてしまう時や全く受け入れない時があります。

 子どもが素直に注意を受け止めてこそ意味があるわけなので、その言葉には十分に配慮が必要になります。おもちゃなどが出しっぱなしだった時、「なんで片づけないの」と、感情的に言ってしまうことがあるでしょう。冷静に考えてみると、「なんで」と言いつつもその理由を聞きたいのではなく、こちらが感情的になったための「なんで」なのだと思います。すると子どもは、しどろもどろになったり反発したりして、さらにこちらを感情的にさせてしまいます。こちらとしては片づけてほしいだけなので、恐怖心や反抗心をあおるような言葉ではなく、具体的に今後のこどもの行動を説明してあげるような言葉をかけてあげましょう。

 また、「しっかり」「ちゃんと」などの言葉を使う時もあるかと思います。この言葉はとても便利なのですが、やはり具体性に欠けます。靴のかかとを踏んでいた時、「きちんと履きなさい。」ではなく、「かかとを靴の中に入れようね。」とか、姿勢が悪い時には「しっかりしなさい」ではなく、「背筋を伸ばそうね。」というように、改善してほしい点をピンポイントで伝えることによって、こどもは素直に注意を聞き入れてくれるようになります。

 注意する時や叱るときには、先ずは感情的にならずに冷静さを保ち、こどもが受け入れやすい具体的な言葉をかけていくことが大切ですね。

木村 修二  情報ID 67798 番  掲載日時 11/28/2015 Sat, 09:32