校長の独り言【562】 



 また、嬉しいことがありました。
 昨日、発達障害者支援法が改正されました。これで、一層の理解と推進が加速されると信じています。

 ご承知のように、この発達障害者支援法は、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害などの発達障害のある者に対する援助等について定めた法律で、平成17年4月1日より施行されているものです。つまり、発達障害を社会全体の課題として、正しい認識と対応を周知徹底する法律だと私は理解しています。

 正しく、本学園で学ぶ子どもたち、卒業生にとって彼らの人生をより素晴らしいものにしてくれるものと信じています。

 実は私は、この改正を、この法律の施行前から誰よりも強く願っていました。それは、
第8条がこのような記載であったからです。

(教育) 第8条
 国及び地方公共団体は、発達障害児(十八歳以上の発達障害者であって高等学校、中等教育学校及び特別支援学校に在学する者を含む。)がその障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるようにするため、適切な教育的支援、支援体制の整備その他必要な措置を講じるものとする。

 つまり、後期中等教育機関への支援強化を示したものですが、記載の学種名は、学校教
育法の第1条の学校のみで、第124条の専修学校の記載がないことに、格差の是正を強く願っていたのです。

 そして、当時、施行前に何とかこの格差の現状を伝えられないかと模索し、ある在校保護者に協力をいただき、施行前年度の平成16年11月15日(月)、その条文に関わる教育現場視察ということで国会議員の先生方が本校に来校してくれました。
本学園や高等専修学校の説明の後に、学校内を視察されましたが、「明るい雰囲気の学校ですね」 「生徒さんが皆、一生懸命ですね」 などお褒めの言葉をいただきました。
 その時の視察により、本校の自閉症児教育のみならず、混合教育による健常児の成長ぶりも十分に理解して頂けたようでした。
 残念ながら、施行までの期間が短かったためこの視察では結果は得られず、格差是正は叶いませんでした。

 そして、それ以降も継続し関係の皆様への働きかけを続け、ついに昨日、10年来の念願が叶い、次のように改正されたのです。

●高等学校、中等教育学校及び特別支援学校並びに専修学校の高等課程に在学する者も含む。

 これで、高等専修学校で学ぶ子どもたちへの格差が是正されます。これも、本校だけではなく、全国の高等専修学校の日々の教育への評価であると思っています。

 本当に、嬉しい限りです。



校長  情報ID 70462 番  掲載日時 05/26/2016 Thu, 12:55