校長の独り言【565】 



「これからの専修学校教育の振興のあり方検討会議」が設置されました。
 専修学校制度の目的・役割を踏まえつつ、専修学校固有の課題等への対応を図る観点から、専修学校教育の振興に関する総合的な検討を行うために、文部科学省生涯学習政策局に設置されました。

 私も委員のひとりとして、高等専修学校の振興の為に微力ながら意見を述べさせていただいています。

 私が、高等専修学校の振興を強く願いはじめたのは、この作文を読んでからです。
格差は、学校だけでなく、子どもたちの心の中にもあったのです。 だからこそ、我々教員は頑張らなくてはいけないと考えたのです。  

 第13期生の卒業文集制作委員長を務めたある生徒の編集後記です。
 この生徒は小学校より不登校が始まり、中学校3年間のほとんどを相談学級で過ごし、本校への入学を契機に3年皆勤を成し遂げ、一浪したものの大学を無事卒業し、現在社会人として、夢であった仕事に従事している卒業生です。

                                          
 「この文集のテーマ『未来』は、武蔵野東技能高等専修学校で頑張ってきた3年間をいかに活かしていこうかといったものが感じられます。つまり我々13期生はこの学校が大好きになったし、未来も明るいものを考えられるようになっています。でも3年前はどのように感じていたでしょうか。
 この武蔵野東技能高等専修学校を受験しようと思ったとき、皆さんはどんなことを考え、どのように決断したでしょう。
 この学校は高等専修学校ということで高等学校ではありません。そのことをまず初めに悩んだのではないでしょうか。
 高等学校ではないということは、周囲や親戚や友達から高校にいけないから高等専修学校に行くことになったと思われるのではないかと不安を抱いたはずです。高校と同等という言葉は中3の時の私たちにとってなかなか信じられないものですし、今でも高等専修学校について正しく理解をしてくれる人は少ないと思います。私はそのことが、この学校で3年間過ごしていてとても悔しいのです。
 この学校には人を傷つけたりする人はいません。先生方はみなさん熱心ですし、先日、進路の先生から話があったように就職率が100%です。この不況の中で100%というのは私たちの学校の誇れるものの一つです。また、進学に関しても他校と比べてもなんの遜色もないものだと思います。
 そこで私は胸を張って言いたいのです、『高校と同等ではなく、この学校は生徒も先生も、雰囲気も伝統も、就職も進学も、他の高校以上です。』
 しかし、私だけがそう思っていても仕方がありません。私たち卒業生が、この先、どんどん社会で貢献し、高等専修学校というものを世界的にアピールしていかなければならないと思います。ですからこの文集『未来』は、私たちのこれからの努力を象徴するものだと思います。
 今後さまざまな壁にぶつかるかも知れません。そんなとき、この文集『未来』を開き、この学校で頑張ることのできた3年間を思い出してほしいと思います。」

校長  情報ID 70900 番  掲載日時 06/17/2016 Fri, 09:19