反面教師 



 「反面教師」という言葉があります。広辞苑を引くと「見習い学ぶべきではないものとして、悪い手本・見本となる事柄・人物」とあります。同じような意味で使われていることわざに「人のふり見て我がふり直せ。」があります。「他人のやっている動作や態度で好ましくないと感じたら、その相手をとがめる前に、自分は他人に対して同じようなことをしていないか、他人の行動を自分のこととして省みなければならない。」という意味です。
 
 さて、大人はこどものお手本にならなければならないのは当然のことですが、果たしてどうでしょうか。自分の思いや理想をこどもに一方的に伝えるだけで、自分自身の行いは決してほめられたものではないことがあるかもしれません。例えば、横断歩道でまだ青信号になっていないにもかかわらずに渡りはじめる人がいたり、スマートフォンを操作しながら渡る人がいたりする光景を良く見かけます。また、「挨拶をしなさい。」とこどもには言うものの、親自身は率先して挨拶をしていない場面を目にすることもあります。
 
 親子関係であろうと師弟関係であろうと、人を導いたりお手本を示したりする立場にある人は、先ずは自分の行いを省みて修正すべき点があれば素直に受け止めた上で、相手の失敗や欠点に対して助言をすることが大切なのだと思います。

 時には、意図的に反面教師を演じて同じ失敗を起こさせぬようにするときもありますが、やはり常に大人はこどもたちの「良きお手本」でいられるよう、普段から自分の振る舞いには気をつけていきたいものですね。

木村 修二  情報ID 71399 番  掲載日時 07/15/2016 Fri, 08:24