年末の大掃除 



 年末が近づくと、「大掃除」ということばが頭にちらつき始めます。計画的にできる場合もあれば、なかなか手を付けられずに除夜の鐘、なんてこともあるかもしれません。さて、そもそもなぜ年末に大掃除をするのでしょう。
 
 それは、1年間の汚れを落とすことだけが目的ではなく、新しい年の福をつかさどる「年神様」を家に招き入れる大切な準備として、汚れ(穢れ)を除いて家を清浄にするためでもあるのです。

 この年神様は、歳徳神、恵方神、正月様などともいい、新年に各家に訪れ、その年の福を授けるとともに災厄から守ってくれます。門松は年神様が宿ると考えられているものであり、しめ縄は年神様を迎える準備が整った清浄な場であることを示すものでもあります。
 
 また、鏡餅は年神様へのお供え物であり、さまざまな正月飾りは年神様を迎えるために欠かせないものなのです。

 年神様だけでなく、かまどの神様、水まわりの神様、トイレの神様などが家を守ってくれ、神様たちの居心地がよくなるように掃除をすれば、福を授かるだけでなく疫病神などの不運を寄せ付けなくなるとも言われています。

 このように、大掃除には大きな意味があります。各ご家庭の考え方はそれぞれかと思いますが、家族の一員として新年の準備のお手伝いをお子さんに担わせることは、自覚と責任感を育て、心の成長につなげる良い機会です。ぜひ、お子さんと一緒に話し合いながら役割を決めてみてください。

木村 修二  情報ID 73087 番  掲載日時 12/08/2016 Thu, 08:58