武蔵野東学園広報 第10号 【オンライン版】    平成14年(2002年)7月18日発行

 『東だより』トップページへ    学園トップページへ

学 園 総 合  副学園長 長内博雄

学園内交流 小学生の東中体験

 各園校間における交流はこの1学期にも活発に行われていますが、今年とくに盛んになっている小学生の中学校体験を紹介します。

Can Day キャンデイ

 今年から、小学校では全学年の児童が年に一度中学校で過ごすという日ができ、この日を小中間で「Can Day 」と名付けました。何か楽しいことのできる日においしいキャンデイを重ね合わせた名称で、1学期中1、2、3、4、6年生がそれぞれ中学生との楽しい交流をもちました。
 たとえば6年生の場合は、中学校の先生による英語とテニスの授業に、昼休みには好きな部の部活動体験や部活見学ツアーへの参加など。


【中】 新堂先生による美術の授業(小3)

  子どもたちの感想は 「一日中学校にいられたら楽しいな~と思いました。なぜって、やさしい先生&先ぱいと楽しい授業が盛りだくさん! 部活見学だけではなく、体験もやれば良かった!」 「久しぶりに先ぱいに会えてうれしかったです。おやつもとてもおいしかったです。」 「今日のCan Dayで英語・テニス・美術部体験をしました。英語は、リズムトレーニングがとてもおもしろく、テニスは球を打つのがとても楽しかったです。美術部は、今までにない美しさで牛乳パックをかけてうれしかったです。今日一日最高の日でした。」 「楽しい時間はあっという間にすぎてしまうんですね。」等。 1年生の来校時には特に男子中学生の態度の変わり様が著しく童心に返ってよく面倒をみ、「かわいかった!」 と共に 「体力的に年齢差 を感じる」 ということでした。


中3 と一緒にスタンプラリー(小1)

 

東中土曜講座 盛況 小学生対象

東中の小学生のための土曜体験講座は、小学生全般を対象に行われていますが、今年はとくに申し込みが多く毎回百名を超える希望者の中、東小児童も7、80名が参加しています。運動関係の各種目は、年上の中学生の親切なコーチを受けながら練習することが楽しいようで、その他コンピュータで下敷きを作って持ち帰ったり、カルメ焼きや葉っぱのでんぷんで模様を作る理科実験など多様なプログラムがあります。ダンス、陸上、器械体操などを専門的に続けている児童、回毎に内容を変えて楽しんでいる各種体験派の児童などさまざまです。


東中の公開体験講座で 「カルメ焼き」

 

アドバイザリーボード第2回年次会
「高機能自閉症における諸問題」

 昨年学園に設置された「アドバイザリーボード」 の第2回年次会が5月30日に行われました。今回は表題のテーマを設定し、まず話し合いに先立って精神科医の内山先生より高機能自閉症・アスペルガー症候群についてプレゼンテーションをしていただきました。先生は、誤った診断は本人の不利益につながることを前提に、充分に時間をかけた正確な診断のなされる体制にない今のわが国の状況と、その診断をする精神科医の不足を問題点として挙げられました。
 話し合いの中で、日本自閉症協会の須田先生は、最近厚生労働省委託の同テーマの研究に携わったことから、長期的な視点で、例えば混合教育をしている武蔵野東学園のように、幼少期からの系統だった教育の仕組みを社会全般に整備していく必要性を感じていることを話されました。また弁護士の副島先生は、司法精神医学の分野における自閉症児・者らに対する精神鑑定の実状に触れながら、彼らの差し迫った窮状に対する支援として、各地域で緊急避難的に活用できる場所づくりに取り組むことの重要性を述べられました。 
 その他メンバーの先生方による意見交換は時間を惜しんでなされましたが、当学園の教育的な責任の重さも併せて再認識した次第です。