 療育プログラム
第38回（6月9日～13日）と第39回（6月23日～27日）の療育プログラムを年長児を対象として実施しました。この療育プログラムは、学園以外の自閉的傾向のあるお子さん（年長児・年中児）を対象に年間5、6回実施しているものです。
子どもたちの療育は5日間と短いものですが、参加された保護者からは以下のような感想が寄せられました。
・ 『子どものほめられてうれしそうな表情を見て、幼児期の療育がどれだけ大切か実感しました』
・ 『子どもが座って作業する姿を見て、先生方の力量に「さすがプロ」と感心させられました』
・ 『現在、幼稚園に行くのを拒否していますが、環境を整えれば、十分に集団生活に対応できることがわかりうれしく思いました』
また、保護者講習では、身辺自立に向けた具体的な対応、将来的な展望、社会性・コミュニケーション能力を伸ばすための具体的な対応などを中心にした講習を行っています。
保護者の感想の中に『貴校の一貫教育のシステムは自閉症児を持った親にとっては、魅力的です。そして、公立の特別学級の実情はとても厳しいと感じました』というものがありました。このように、障害児に対する教育の場は、まだまだ厳しい状況があり、※ノーマライゼイションや※インクルージョンが日本の社会の中に浸透していくことの難しさをうかがい知ることができます。研究所では、これからも多くの方々に受講していただけるようにしていきたいと考えています。
※ノーマライゼイション
「年齢や障害の有無に関係なく、 すべての人が同じ人間として当た り前の生活を送るため、共にくら していけるような社会がノーマル な社会である」という理念
※インクルージョン
「通常の教育の中で、様々な子どものすべての教育的ニーズに答え ていく」という理念
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作業を楽しむ子どもたち
第38回療育プログラムより
保護者のための
自閉症教育講習会
教育研究所では、学園外部の保護者を対象に「自閉症教育講習会」を年に２回実施しています。この自閉症教育講習会はメインテーマを大きく「自閉症のライフサイクル」「認知と学習」「不適切な行動」「コミュニケーション」の４つに分け、２年間ですべてを網羅する計画となっています。そして、今回、３つ目のテーマとなる「不適切な行動」についての講習を7月10・11日に行いました。
自閉症児の「不適切な行動」は「問題行動」と呼ばれることもあるように、保護者・関係者にとって大きな問題であり、その対処法について多くの取り組みがなされてきました。ただし、以前は「パニック」「自傷行為」といった型による分類が中心であり、「何故、不適切な行動を起こしてしまうのか」といった子どもの心の動きが注目されることはありませんでした。その後、「注目」「逃避」「目的」「感覚」といった心の動きから「不適切な行動」が捉えられるようになり、最近では、自閉症児特有の認知スタイルも検討されるようになってきています。
保護者のための自閉症教育講習会
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基本的な対応方針としては、「不適切な行動の対応だけを優先させない」「ルールを明確にし、対応をできる限り一貫させる」「スケジュールや環境を整え、できる限り予測できるようにさせる」「子どもの発達に応じたコミュニケーション手段、課題等を用意する」「不適切な行動後の対処よりも予防を優先する」「家族や学校等の連携で対応する」ことなどを取り上げました。
日本自閉症スペクトラム学会
研究大会へのお誘い
8月9・10日に「日本自閉症スペクトラム学会 第２回研究大会」が、本館にて開催されます。教育研究所は、学会の事務局として、研究大会の運営のお手伝いをしています。今回も医療・教育（保育）・行政等の多くの専門家の方々が一堂に会して、日頃の研究成果を発表するとともに、本学園のアドバイザリーボードの内山登紀夫先生（よこはま発達クリニック院長）によります特別講演を始め著名な先生方からの最新の情報が得られる機会となっています。お時間がございましたら是非ご参加ください。
詳しい内容がお知りになりたい方は、教育研究所までご連絡ください。
その他の活動
◎主な見学者（4月～6月）
・教育庁学務部義務教育
心身障害教育課就学相談員2名
・東京学芸大学内地留学生 2名
・国立特殊教育総合研究所
短期研修生 10名
・東京国際音楽療法専門学校
・在ウルグアイ日本大使館
中村大使夫人 他
◎教育相談 35組（4月～6月）
◎見学会（5月20日） 108組
◎ＤＬＴ教室 12組
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