武蔵野東学園広報 第26号 【オンライン版】    平成19年(2007年)12月18日発行

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高等専修学校

  ニートの方に対する自立支援

 平成18年度文部科学省委託事業である「専修学校と若者自立塾と公共職業安定所の連携によるニートに対する職業教育支援事業」として、NPO法人文化学習協同ネットワークで活動されているニートの若者を本校で受け入れ、コンピュータ講座などの職業教育カリキュラムを提供して、就職や進学など社会自立に繋げる事業を展開しました。

 全国高等専修学校協会制度改善研究委員会で平成18年に行いました「フリーター・ニート問題に対する高等専修学校の教育支援に関する実態調査」によりますと、不登校経験者及び中退者の在籍者数の割合が年々増加傾向にあることが明らかになり、高等専修学校ならではの職業教育及び人間教育の利点を生かし、学校生活のありとあらゆる活動が職業観育成へと繋がり、全ての教員が生徒一人ひとりを確実にサポートしている体制が整っている理想的な学校と報告されています。そこで、文部科学省委託事業において、高等専修学校で行っている教育をそのままニートと呼ばれる若者に講座として提供し、社会自立に繋がるスキルを養成していきました。約6ヶ月の期間で37名の方を受け入れましたが、残念ながら全員の方を社会自立させるまでには至らず、やはり、本事業は短期的なものではなく長期的な事業として実施しなければならないものだという結論を得ましたまた、三鷹公共職業安定所の支援を頂けたことにより、これまで厚生労働省、文部科学省各々が取り組んできたニート対策事業を連結させた新規モデル事業として大きな成果があったと確信しています。今後、「フリーター」「ニート」という言葉は、武蔵野東学園の子どもたちには縁のない言葉になるようこの事業の成果を学園の子どもたちにすべて還元して行きたいと思っております。

 さて、これら本校の取り組みを多くの方に知っていただくため、1019日に山梨県のベルクラシック甲府で行われた全国専修学校各種学校総連合会の南関東ブロック会議で発表しました。また、115日には岡山県で開催された第19回『全国生涯学習フェスティバル』の一環として、ピュアリティまきびで全国の専修学校関係者のほか、中学・高校教員、各都道府県の行政担当者が多数出席した、「平成19年度専修学校教育研究協議会」でも報告いたしました。画像:「熱心に報告を聴く会場の皆さん

 「私のしごと」作文コンクール 3年連続優秀団体賞受賞

 職業教育の日」制定を記念する第3回全国高校生・高等専修学校生『私のしごと』作文コンクールの表彰式が1021日、アルカディア市ヶ谷で入賞者が一堂に会して盛大に行われました。

 第1回コンクールでは、当時本校2年生の宮本成敦君が「好きな仕事で、夢をかなえる!」でjob大賞を、また、当時3年生の井上信吾君が「私の理想とする職業人」で全国高等専修学校協会会長賞を受賞しましたが、今年は、全国から5,888編(高等学校4,171編、高等専修学校1,668編、その他49編)の応募があり、第1次審査で選ばれた66編の中から最終審査会で20点の入賞作品を決定しました。本校からは、154編応募しましたが、3年渡部麻衣子さんが、「私の理想とする職業人」で専門学校新聞社賞を、2年菅原耀君が「『フリーター・ニート』、私はこう思う」で特定非営利活動法人NPO高等専修教育支援協会理事長賞を射止めました。また、3年連続で優秀団体賞をいただくこともできました。表彰式では、『私のしごと』作文コンクール実行委員長とNPO法人 仕事への架け橋 理事長の挨拶に始まり、入賞者の発表、審査員講評、賞状授与と続きました。来賓祝辞では、昨年の10月に本校を視察された文部科学省生涯学習政策局専修学校教育振興室長の寺門成真氏より、「仕事に対する考えが実にしっかりしている」とお褒めの言葉もいただきました。最後に、文部科学大臣賞、job大賞、専門学校新聞社賞を受賞した3名が作文を朗読しました。その際、その内容に涙を流した方も少なくありませんでした。表彰式の後に、「フリーター・ニートになる前に受けたい授業」と題した記念講演が予定されており、事前に、「講演を聴いてから帰ろうか?」と生徒たちに投げかけたところ、即座にほとんどの生徒の口から「私達はいつも学校で聞いているので聞く必要はありません。帰ります。」と言う答えが返ってきて、担当の教員は、嬉しいやら・・・。思わず苦笑いをしてしまったそうです。これも、本校が職業教育を行っている成果の1つではないでしょうか。画像:「作文を朗読する渡部さん

 

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