武蔵野東学園広報 第29号 【オンライン版】    平成20年(2008年)12月18日発行

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教育センター

  支援者のためのセミナーシリーズ

明石先生の講演

白井・宮澤教諭の講演

 この支援者のためのセミナーシリーズも3年目となりました。これまで、学園の教職員をはじめ当事者の保護者やそれぞれの分野の専門家等20名以上の方々を講師にむかえ講演をしていただきました。平成20年度第1回目は、目白大学客員教授の寺山千代子先生と川崎市自閉症協会会長で社会福祉法人あおぞら共生会副会長の明石洋子先生に講演をしていただきました。寺山先生は「自閉症児における母子関係の重要性」という演題で、みんな一人ひとり違う特徴ある子ども達を授かったことに感謝しつつ、子どものそのままを受け止めて子育てしていくことの大切さを中心に話されました。明石先生は「自立への子育て~自己決定を支援する~」という演題で、息子さんを川崎市の職員として就労させるまでの数々のエピソードを中心に話をされました。お二人それぞれに立場は違っても、自閉症の方々に対する愛情たっぷりのお話は、参加者の方々の共感の涙を誘っていました。
 第2回目は11月22日(土)に小学校体育専科白井武博・宮澤直樹教諭と元国立特別支援教育総合研究所主任研究員で、現在は㈱たすく代表の斎藤宇開先生に講演をしていただきました。白井・宮澤教諭は「自閉症児の体育指導について」という演題で、学園が40数年にわたって培ってきた『生活体育』について、参加者が実際に体を動かしながら実践形式で話されました。斎藤先生は「自閉症教育の到達点~キーポイントが未来を開く~」という演題で、特別支援教育の現状の説明から始まり、その現状を踏まえた上で『自閉症教育のキーポイント』の重要性について話されました。多くの方々が講演の後も講師に質問している姿がとても印象的でした。
 第3回目は、平成21年1月17日(土)に社会福祉法人東京コロニーの井上忠幸さん「障害者福祉サービスと就労支援事業」とNHK解説委員の室山哲也さん「発達障がいと最新脳科学研究」に講演していただく予定になっています。ご興味のある方は教育センターにお問い合わせください。 

 言語プログラムがはじまりました

 11月から新たなプログラムとして、言語聴覚士の資格を持つスタッフによる言語プログラムを開始しました。子どもたちが抱える言葉に関する発音の問題、認知の問題、コミュニケーションスキルなどの向上をめざして療育を実施しています。確かなアセスメントのもと、支援目標を明確にしてさまざまな角度から支援をすることで、子どもたちの言語的な発達を促していきます。  

 

 

言語プログラムの様子

 スタッフ研修の充実を図っています

 教育センターでは、学園の教職員の研修とは別に年間6回の研修日を設けてスタッフの資質向上に努めています。本年度は、最新自閉症情報(医療、福祉、教育)、発達・知能検査、研究授業評価会、防犯訓練などを実施しています。また、センターミーティングでは、各スタッフが日々実践し有効であった教材・教具の紹介および評価を互いに共有しあうことで、療育内容の充実につなげています。

 

 

防犯訓練の様子

 季節特別プログラム

 本年度も、サマープログラム(第1回8月3日~7日、第2回8月11日~15日)が盛況のうちに無事終了しました。今回の受講者数は、小学生90名、幼児28名、合計118名でした。猛暑の中、子どもたちはなれない環境の中にもかかわらず、新しい友だちや先生と一緒に運動や学習を楽しみながら参加することができました。また保護者の方々は「こんなに勉強したのは学生時代以来なかった」などという言葉が聞かれる程、子どもたちに負けず劣らず連日の保護者講習をがんばって受講しています。毎年、この季節特別プログラムを楽しみに参加されている地方の方々は、お互いに連絡は取り合っているものの久しぶりに会える仲間との交流を心の支えにしている方も少なくありません。また、学園OBの保護者の方々に講師をしていただいていますが、参加者にとっては社会に巣立った方々の生活ぶりにわが子を重ね合わせながら、これからの子育ての活力を得ている方も多くいます。5日間という短い時間ではありますが、「また、参加させたいと思います」という言葉を残されて、それぞれの生活の場に戻っていかれる姿を見るたびに、私たち教育センターの役割の大きさを痛感しています。

        サマープログラム  

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