武蔵野東学園広報 第7号 【オンライン版】    平成13年(2001年)7月18日発行

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一学期のTOPIC

総理や大統領のスピーチに武蔵野東の教育のことが…  学園長 野田 彰

 日本とウルグアイとの修交満八十年ということで、ウルグアイのパジェ大統領は四月十五日に来日され、その大統領夫妻を歓迎する森総理夫妻主催の夕食会が十七日夜総理官邸で開かれました。
 その会に招かれたのは、ウルグアイの外務・財務・環境の各大臣、駐日大使夫妻・国際経済局長や商工会会頭・儀典長・秘書官で、日本側の列席者は、外務大臣・駐ウ大使夫妻・元駐ウ大使・中南米局長や関係議員・会頭・顧問・秘書官・他で、それに武蔵野東学園が連なったわけです。長いテーブルの両側に両国の計二十六名が交互に座り、その後方に多くの通訳が控えていました。
 森総理の挨拶では、ことがらを挙げながら両国修交の八十年を総括的に述べられ、「今、日本の少年がサッカーの勉強で貴国に大勢行っていますがよろしく…」で結ばれました。続いて日本側の列席者一人ひとりについて、総理はメモにもとづいて紹介されました。
 武蔵野東学園の紹介は、他の誰よりも詳しくて長いものでした。どのような学校でどんな教育をしているか、ウルグアイの自閉症児教育にどのようにかかわっているかがその主な内容でした。

私は一礼して緊張を解き着席しましたが、「なお、スペイン語圏内の自閉症児教育教員養成に関しても尽力してくれている…」といったことも添えられました。
 森総理による大統領夫妻歓迎の乾杯が終わり、そしてパジェ大統領の挨拶となりました。挨拶は原稿も持たず心のこもったものでした。続いて、ウルグアイの国がお世話になっている人たちや親交のあった人それぞれに顔を向け、にこやかな表情でお礼のことばなどを丁寧に述べられました。
 パジェ大統領は三番目に「武蔵野東学園には…」と、私に向かい、七年前から続いているモンテビデオヒガシの自閉症児教育の指導を中心に、心よりの謝辞を述べられました。
 私の右隣は駐日クルロウ大使夫人、左隣はシャネリ外務省国際経済局長でした。食事をしながら通訳を介して、ウルグアイのことやモンテビデオの子どものこと、武蔵野東の教育のことなどを話し合ったり、ウルグアイの発展により日本からの援助が打ち切られるとの話もあるが、こと自閉症児教育に関しては、今後もジャイカ(JICA国際協力事業団)などによる援助と指導が必要であることを力説したりしました。

 また、場違いではないかと思いながらも持ち込んでいた武蔵野東学園のパンフレットや資料十部を、近くの人に差し上げたり、離れた席の人には通訳に頼んで届けてもらったりしました。
 このような会合に出て緊張と感動の中に私は様々なことを思い巡らせていました。学園の今あるはすべての子どもの頑張りや家庭の支えによること、武蔵野東の教育とそれが国際間にどう貢献しているかに関して一国の総理や大統領の脳裏に刻まれたことなどについてです。そしてこれは大変なことで、「夢は必ず実現する」といわれた創立者の夢の一つが、今ここにこのように展開しているのだと気づくと、胸が熱くなりました。
 四月二十一日の中南米の自閉症児者のための国際シンポジウムなどについてはご存じのことと思いますが、それと四日前の夕食会に列席したこととを関連づけてお考え下さればと願っています。

 

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