題字  野田 彰先生

武蔵野東学園広報 第8号 【オンライン版
平成14年(2002年)3月8日発行

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 武蔵野東の13年度は
    どんな年であったか

                                                             学園長  野田 彰   

目  次

 武蔵野東の13年度は
     どんな年であったか
         学園長  野田 彰

学園総合
   創立40周年記念事業募金
   第37回 幼稚園発表会
     第25回 小学校・中学校発表会
   高等専修学校
   交流授業 一段と充実


 

    『東だより』 バックナンバー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


高等専修学校
「聖心インターナショナル・
スクールとの交流」

 

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小学校 「サケの放流式」

中学校 「小学生対象体験講座」

  平成13年度は21世紀最初の年度です。21世紀という耳に新しい響きは、戦争の20世紀とはまるで違った明るい世紀を皆の心に描かせました。アメリカで活躍する野球のイチローや新庄選手のような明るいニュースもありましたが、幼児虐待とかえひめ丸沈没などのニュースに続いて、6月には大阪の池田付小児童の痛ましいこと、9月にはアメリカでの同時多発テロの事件があったりして、今までにもまして生命の大切さを意識する世紀であることを痛感しました。
 このような時代の流れを背景に、教育界は持ち続けている課題と取り組みつつ、徐々に教育の構造改革に踏み込んでいった一年だったといえます。聖域なき云々よりも、教育改革国民会議(総理の私的諮問機関)の最終報告「教育を変える17の提案」の具体化要請にはインパクトがありました。そのほか「教育振興基本計画」の策定とか、「21世紀教育新生プラン」「21世紀の特殊教育の在り方」の公表・教育基本法の検討など、従来とは違った新しい動きを感じさせた一年でした。
 このような雰囲気の中から、教員免許制度の見直し・民間人の起用・公立校の一部での学区制の廃止、従来の中高一貫とは別に小中一貫や幼小連携の試みが生まれ、この傾向は公立の私学化とも評されました。
 教育の流れもこのように激動の時代であり、改善も単なる手直しではなく抜本的構造的な改革が強く要望される時代となりました。このほかに深刻な少子化のことなど私立学校が克服していかなければならない問題も少なくありません。このような時代の中に武蔵野東学園の13年度があったのだと思い直し、いろいろなことに対応してこれたのは、子どもたちのがんばりのおかげだ、保護者の方々の力ぞえのおかげだと改めて思いおこしています。

 武蔵野東の13年度をひと言で表現することは難しいことですが、フィーリングで表現するならば「生き生きとした年度だった」ということになるでしょうか。とにかく、子どもも親も、そして園・校全体がいつもより明るく元気で生き生きとしていると感じたのです。
 どうしてこのように感じたのかはよくわかりませんが、子どもの笑顔・声・動きとか、友愛・協力・がんばりとか、挑戦・努力・達成とかが一つになって心を包んだからだと思います。子どもだけでなく保護者の活動も含めて、幼小中高の行事だけでなく学園行事もふくめて、とにかく教育活動のすべてを振り返っての印象です。甘い自己評価と評されそうですが 。

小学校 「サケの放流式」 生き生きとした子どもたちの日頃の動きや成果については、会合での談話・ビデオや通信・連絡文などでご理解いただいていることです。学園全体の情報をまとめたこの「東だより」は学期に一回ですが、学園全体をつなぎ合わせる情報網として、また、学園が考えている高い立場や広い視野から子どもの教育を考える拠り所として、いろいろに活用して下さっていると思います。情報が伝達され公表されていろいろなことがわかり合えることは、組織された集団にとって大切なことです。後援会や保護者グループなどからの広報活動も活発でした。このような動きが集まって生き生きとした雰囲気をつくって下さったのだと思います。
 特記したい生き生きした姿は、幼小中高や学園に沢山あります。今までにお知らせしたものもありますが、それぞれ一つ二つに絞って、13年度はどんな年であったかを具体的に示してみたいと思います。

 幼稚園で取り組んだ指導の重点は、「子どもの望ましい生活を家庭との連携を密にして考えていく」でした。それは「幼児の心の教育(幼児期の家庭教育)を親と一緒に」ということでもありました。またそれには「親も一緒に保育」の側面が多分にあります。幼児教育の講習・幼稚園よりの通信・学級からの連絡・子どもとの言葉のやりとりなどが豊かに実って、見学者の「明るい・元気・生き生き」という感想になったのだと思います。今年も 3年前の入園時のことを思い浮かべながら、卒園時の見事な変容成長ぶりに感動しています。幼稚園を「奇跡の箱」といいたくもなります。

 小学校は13年度より校長・教頭制を実施、いつもとは違う緊張感を伴ったスタートとなりました。また、小学校の学級数逓減計画が完了した年度で、毎年生じた空き教室の転用計画が最終的に本決まりになる年度でもありました。そこで、待望の家庭科室や中学年図工室を、平成16年度に迎える学園創立40周年記念事業の「校舎の再生拡充事業」として前倒しで着工。夏休み中に完成し 9月より使い始めています。子どもの動きでぜひ報告したいことは、10月20日に東京体育館で行われた東京私学祭で、私小の代表として東小学校の 3~4年男子がサッカー・ワールドカップをテーマとするマスゲームに出演、その見事な演技は会場を魅了し拍手喝采に面目を施しました。

中学校 「小学生対象体験講座」 私学としての幼小中高の一貫性については勿論のことですが、小中間の児童~生徒の交流や行事などにおける提携・賛助などについては日頃よりご理解を戴いているところです。小学生が中学生のすばらしさを知って夢をふくらませたり、中学生が後輩に進んで範を示して一貫校の友愛の輪を広げるなど、家族的な雰囲気の中で行われていることもご承知のことと思います。今年はさらに教員の交流やカリキュラムの関連、小中教員の合同研究会を持ったりして小中一貫の体制を強化してきました。小中一貫は、カリキュラムや行事の面だけを考えても簡単に結論が出るものではありません。衆知を集めてがんばっていくつもりです。

 東中学校の教育のすばらしさやその成果については、よく理解してくれている人が何人もいます。しかし、私学の存立と発展のためには「知る人ぞ知る」では不十分で、情報をより広く速く伝達することが不可欠です。そのことを考えると、マスコミによって取り上げられ報道されることが何と言っても最も効果的です。
 今年、中学の実践や成果がマスコミに取り上げられることが二つありました。
 一つは、毎日カップ「中学校体力つくり」コンテストで日本中学校体育連盟賞受賞についてです。一昨年も昨年も全国3,000余校中40校以内ということで特別賞を受賞したのですが、今年は3310校中上位 6位以内ということで大変値打ちのある受賞となりました。
 もう一つは、1~3年生の 3年間で取り組む総合的な学習の「生命科」のことについて、毎日新聞の「教育の森」のページに大きく取り上げられたのです。この日は14年1月28日(月)。一面には大きな字で「中2男子 3人逮捕」ホームレス暴行死・「注意され腹いせ」のニュースがのっていました。教育の森のページでは東中学校の紹介があり、本年度 4月から始まった「自分の存在の重さを知り他人の重さも感じる」を目標とする学習のことが解説されていました。一面のニュースと対比して、東中学の存在が崇高なものとして多くの人々に受け取られたと思いました。

 高等専修学校の13年度は、今までに実践していたすばらしい内容やその業績が、次々にマスコミによって世に紹介された年でした。その主なものは、元不登校生が立ち直る過程や混合教育の成果などがTBSテレビに取り上げられ、進路指導協議会の夏季研究協議会での発表がサンデー毎日の記事になったりもしました。12年度秋に創部のラグビー部は、ラグビーと人間教育という視点で度々特集されて日本テレビやBS日テレで放映されたり、市内のコミュニティー紙に掲載されたりしました。その後も二度三度ラグビー部が取材され放映されました。いずれも感動的な場面が多く、大きな反響がありました。その後、讀賣新聞社から取材の要請があったり、大手出版社からの出版の話も進行中です。
 これら高等専修学校のこの生き生きした情景は、地道な実践が一挙に花開いたの感があり、嬉しい限りです。

 学園の13年度も、嬉しいこと大きなことが次々にありました。すでに東だよりでお知らせしましたように、学園創立40周年記念事業や記念募金のことが決まり実行に移したものもあります。各界の有識者 7名で構成するアドバイザリーボードが11月に発足しましたが、これはかねてより懸案の画期的なものです。学園祭や小中合同発表会の持ち方が改善されたことも既報の通りです。

 一年間を振り返ってみて、13年度も大変な年であったと思うとともに、中・長期総合整備計画の方向に歩んでいることを実感しています。これも皆様のご協力のおかげです。今、一年間をまとめ終わって、どんな困難な時代が訪れようとも、武蔵野東の叡智と団結で生き生きと生き続けねばとの思いに駆られているところです。
 

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