武蔵野東学園広報 第46号    平成27年(2015年)9月30日発行

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教育センター

 アドバイザリーボード ミーティング

 6月16日にアドバイザリーボードミーティングが開かれました。アドバイザリーボードとは、学園の教育に関する助言や提案をしていただくための諮問委員会であり、教育、福祉、医療関係の専門家や学園OBの保護者など有識者10名で構成されています。今回は、「武蔵野東教育センターの10年」と題して、北原記念館に移設してからの10年を振り返りながらその発展の様子を報告する機会を得ました。ボードメンバーからは、多様なニーズに対応できるプログラムの多さや、長年の経験や研究から生まれたオリジナル教材の豊富さに関心が寄せられ、療育の精度をさらに向上させて行くためのヒントをいただくことができました。

 季節特別プログラム(サマー)
 今年のサマープログラムは、第1回目に81名、第2回目に68名、総勢149名という過去最多の参加者が集まりました。サマーをはじめとする季節特別プログラムは、5日間連続(ウィンターは3日間)で1日約5時間、小集団での療育と保護者講習がセットになっており、親子でじっくりと学べるところに魅力があるようです。参加者の中には、アメリカ、ドイツ、香港、九州、三重、長野、宮城などから泊まりがけで来られた方々や、猛暑の中、毎日2時間の道のりを通って来られる親子の姿もありました。

 年中児は、夏を題材にした製作を行いました。磁石の竿での魚釣りは特に人気で、遊びを通して友だち同士の自然なかかわりが見られました。年長児の活動は、南の島のハメハメハ大王から手紙が届くというところから始まるストーリー仕立てになっており、手作りのマラカスやコスチュームをつけての歌と演奏では、子どももスタッフも大興奮。家庭でも子どもがハメハメハの話題を積極的に話す様子が見られたそうです。小学生の国語は、1・2年生が挨拶やお礼、詫びる言葉など場に合った言葉の学習、3・4年生は説明の仕方と聞き取りの力をつけることを重点に学習しました。高学年では「日本について知ろう」という題材で、国語と社会を複合的に学びました。暗記力に長けた子どもたちの特性を生かし、日本の地理や気候、特産品などを覚えることができました。算数は、お金の計算や買い物の仕方、中学生では電卓の使い方を学びました。本物そっくりに設えた「東ストア-」で買い物の手順を学ぶと、実際のスーパーマーケットで試した保護者から、「学習した通りにできていたので驚いた」とのコメントが寄せられました。

 初めての参加でも伸び伸びと体を動かせる合同体育をはじめ、音楽や図工、SST(ソーシャルスキル)等の活動は、子どもたちの体や頭を活性させ学習意欲を高めます。図工で行った顔の模写や顔の粘土製作、また友だちの顔写真を用いたカードゲームなどは、人の顔に意識が向きにくい子どもたちが友だちや先生の顔に繰り返し注目する機会を作り出すのにとても効果的でした。中学生は、学園OBの関本さんを講師にお招きし、インド藍を使った本格的な絞り染めの体験をしました。それぞれの個性が模様になった鮮やかな藍色のレッスンバッグが完成し、子どもたちは達成感を得た様子でした。

 参加者からは、「全体を通してすぐに実践できる内容や将来の参考になる講習が多く、たいへん参考になりました」「ペアレントトレーニングで得た、『小さなことにも気づいて褒め、感謝を伝えること』を息子に対して実践すると、子どもらしい表情でよい反応をしてくれるようになりました」「息子がこの数日で得られた一番のものは、自信なんだと思います」「息子が『いつか社会の役に立つ人間になる』という目標をこちらで得ることができてパワーをいただきました」といった貴重な感想をいただきました。 

     小3・4年生 学習の様子

     幼児 製作の様子

     ボルダリングの活動

     買い物学習 レジで精算

本格的な 絞り染めの体験

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