武蔵野東学園広報 第47号
平成28年(2016年)3月9日発行

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  「学園の教育の深化と展開(預かり保育の拡大)」

武蔵野東第一・第二幼稚園 園長 加藤篤彦

目  次

 P.2 幼稚園
 P.3 小学校
 P.4  中学校
 P.5  高等専修学校
 P.6  教育センター
 P.7 学園総合
 P.8 お知らせ

    『東だより』 バックナンバー

 武蔵野東小学校・武蔵野東中学校の発表会が2月17日(水)に府中の森芸術劇場で開催されました。小学生から中学2・3年生までの各演目を堂々と発表している様子を観て、実にすがすがしい気持ちになりました。北原キヨ先生は行事を「立体学習」と呼んで、机上の学びのみならず、自分の心身を通して表現する・体験する学びの大切さを説かれました。舞台の上の子供達は、保護者の皆様の視線と応援の中で、それぞれが自分と向かい合い精一杯にやり遂げていました。毎年、この体験を重ねることで、「学びに向かう姿勢」として、しっかりと各自に身に付くことだろうと思います。
 文部科学省では幼稚園教育要領・小学校学習指導要領の改訂時期を迎えています。30年度改訂では、幼稚園を含めた学校教育の中で、一貫して子供達に育てたい資質について検討が進められています。これからの社会はいっそう技術革新が進みますから、知っていることの量だけでなく、その知識を運用する力、活用する力の育成が重要なポイントになってくるのです。検討委員からはこの力の獲得のためには「行事」が大切な役割を担っているという話題が出ていましたが、本物の舞台での体験はまさにこの力を伸長させることに繋がります。知識や身体の能力は、皆の前でやり遂げようとする意欲と密接に連動している訳で、まさに舞台の上で総合的な(キヨ先生のいう立体的な)能力が獲得されているのです。
 このように教育の重要性が認識される中で、学園の教育実践は脈々と深化していきますが、それのみならず私たちは社会にも目を向けて新たな課題にも向かい合っています。具体的には幼稚園にかかわっては、乳幼児の子育てという側面から「子育てと就労とをどのように両立させていくか」という課題が提起されています。両親の就労率の上昇にともなって、子供の居場所を確保するために、保育所が次々と増設されていますが、実は認可保育園でも、園庭はとても小さいのです。子供達同士が育ち合う3歳児以降にもなれば、その育ちにふさわしい広さと教育的に整備された園庭や保育室が重要な意味をもってきますが、大都市圏においては子供の健やかな心身の成長のための育成環境整備さえ難しいのが現状です。
 この課題の解決に向けて、私たちは何ができるのかという検討もまた続けてきました。その結果、今までも武蔵野東幼稚園では教育時間としての4時間と、異年齢同士が育ち合う場としての預かり保育の4時間を合わせて、年190日程度の保育を実施してきましたが、この期間をさらに拡充するようにします。具体的には平成28年度より、夏、冬、春の長期休業中も預かり保育を実施して、8時間の保育をおよそ年間250日(土日祝日、年末年始以外の日の開園)へと実施日を増やします。また、この取り組みは市内幼稚園として先駆的な試みとなるため、平成28年の武蔵野市モデル事業として位置付きました。「良質な教育」「子育て」「就労」のどれもを大切にしたいと考えている方の選択肢は確実に広がることでしょう。
 本年度もおかげさまで学園各園校それぞれに充実した教育成果をあげることができました。さらに次年度に向かっても、着実に準備が進んでいます。武蔵野東学園の不易流行。子供を中心にして、保護者の皆様の積極的な協働に恵まれた学園として、私たちは大切なことは守りつつ、一方で時代の要請にも応えて変化を続けてまいります。

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