武蔵野東学園広報 第49号    平成29年(2017年)3月9日発行

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教育センター

 ICF 自閉症コアセット決議会議への参加 
 9月9日から11日にかけて、高松副所長がスウェーデンのカロリンスカ研究所で開催された「ICF自閉症コアセット決議会議」に参加しました。ICFとは “International Classification of Functioning, Disabilities and Health(国際生活機能分類)”の略称で、病名や障害名、また知能指数だけでは測れない個の状態や支援の必要度合い等を「心身機能・身体構造」「活動」「参加」、また個の状態に影響を及ぼす「環境因子」といった包括的な視点で評価するための世界共通の概念です。  この会議には、スウェーデン、イギリス、ドイツ、イスラエル、インド、南アフリカ、アメリカ、日本など、WHO(世界保健機構)の加盟国から自閉症関連の専門家等(精神科医、大学教授、作業療法士、言語聴覚士、教育者等)が20名招聘されましたが、日本からは武蔵野東学園が唯一の参加となりました。 
 会議の内容は、総計1424項目におよぶ共通分類から自閉症者に特化した生活機能分類(コアセット)を選び出すというものでした。これまでに、こうしたコアセットはうつ病や脳性麻痺、癌といった障害や気質、疾患に対して開発されてきましたが、自閉症のためのコアセットについては今回が初めての試みということになります。
 ICFの概念は、人が生きていく上での障壁を個人に存在する障害としてのみとらえるのではなく、その人に存在する個性や周りの環境との関わりを考えた上で、よりよいサポートを可能にして行こうとする考え方です。「〜に障害があるから〜をすることが困難」ではなく、「合理的配慮を施すことで〜することが可能になる」と言った、個のできることを主体に考える点が以前とは大きく異なります。
 ICFによって、個の実態やニーズが明確に表されたプロフィールが作成されるようになれば、例えば学齢期であれば、個の保護者だけでなく、教師を始めとする学校や地域のサービス関係者、また医療関係者等が共通の認識を持って適切な支援を展開できるようになります。これまでのように、IQの数値だけで手帳の付与が決められてしまうといった不合理も減り、就学や就職などの社会参加に際するサービスも適切に受けられるようになることが期待されます。

 今回作成したコアセットは、専門機関での検証を受け臨床現場での実用が開始される予定です。ICFに関する情報は、文部科学省のホームページでも詳しく見ることができます。
(文科省ICFで検索)

世界各国から招聘された専門家

ノーベル賞でも有名なカロリンスカ研究所

 ホームカミングデー(11月)

 昨年に引き続き、今年で第2回目のホームカミングデー(同窓会)が開催されました。昨年の9名から今年は16名と倍近い参加がありました。はじめに自己紹介や近況報告をし、その後、生徒はボルダリングや的あてゲーム、パソコンを使っての名刺作りを楽しみました。慣れ親しんだ場所で、久しぶりに再会した友だちやスタッフと楽しい時間を過ごしました。就職先での失敗談を語る者、受験を控えて勉強に打ち込んでいることを報告してくれる者、幼かった頃の彼らとの思い出と重ねつつ、保護者の方々とその後の成長を喜び合う暖かな会となりました。こうしたつながりを今後も大切にしていけたらと思います。

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かつての仲間たちとの再会を楽しむ様子