教育基本方針

ABOUT MIXED EDUCATION混合教育について

武蔵野東学園には、合計1600名の児童生徒が在籍していますが、そのうちの約460名ほどが自閉症を中心とした発達障害児です。このように障害児と健常児を同じキャンパスの中で生活する教育を学園は「混合教育」と呼んでいます。これはいわゆる「インクルーシブ教育」そのものです。

学園の「インクルーシブ教育」の歴史は学園創立時にさかのぼります。幼稚園を開園したとき、どの幼稚園からも受け入れを拒否された5名の保護者が、幼稚園の門を叩きました。そのとき創立者の一人であり初代園長の北原キヨは、その幼児たち(自閉症児)の入園を許可しました。これが学園の「混合教育」の始まりでした。 当時自閉症児はもっとも教育困難な障害児と考えられていて、北原キヨ自身も初めて自閉症児と関わり、どのように教育するか戸惑いました。試行錯誤の中から北原キヨが思いついたことは、他人とのコミュニケーション障害を持つ彼らが社会自立するためには、幼児のうちから積極的に健常児と関わりを持たせ、時間をかけてコミュニケーション能力を養うのがよいと考えました。

学園はその後小学校、中学校、高等専修学校を次々に開校しましたが、どの学校でも障害児と健常児の交流を促進する仕組みを充実させてきました。運動会や学芸会では両者混合のプログラムを取り入れるなど、日常活動以外でも両者が深く関わりあう機会を作り出していますが、これが自閉症児たちのコミュニケーションスキルの向上に大きな効果を上げています。

自閉症児と深いかかわりを持ちながら学園生活を送る健常児たちは、年齢相応に自然に自閉症児たちをリードしまた手助けをします。そして自閉症児たちは健常児の温かい支えと彼らから受ける適度な刺激により、社会自立の道を着実に歩みます。また自閉症児の多くに見られる几帳面で何事に対しても粘り強く集中して取り組むという特徴が、健常児の生活態度、学習態度に大きな影響を与えています。

こうした環境で学園生活を送る健常児たちは、学外においても障害を持つ人々に対し、偏見を持つこともなくごく自然に接し、またボランティア活動に強い関心を示すなど、「生きた福祉の心」が自然に育まれます。学園を巣立った後、教育、医療、福祉の道に進む生徒が多いのも特徴です。つまり当学園の生徒たちは社会に出てから「ノーマライゼーション」の推進者の一人としてなってゆきます。