題字  野田 彰先生

武蔵野東学園広報 第10号 【オンライン版
平成14年(2002年)7月18日発行

180-0013 東京都武蔵野市西久保 3-25-3
Tel. 0422-54-8611㈹ Fax. 0422-51-0267
http://www.musashino-higashi.org

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   十四年度の教育から
            ― 思いつくままに ―
                               学園長 野田 彰

目  次

 十四年度の教育から 思いつくままに
          学園長  野田 彰

学園総合
  学園内交流 小学生の東中体験
  アドバイザリーボード 第2回 年次会
       「高機能自閉症における諸問題」
          副学園長  長内博雄

幼稚園
  感謝の気持ちを 「ありがとう新聞」で
  楽しいお話 ありがとう
  新しい幼稚園バス登場

小学校
  コンピュータ室 フル稼働
  後援会 研修会
  東中体験学習 キャンデイ

中学校
  若さが燃える 球技大会
  朝は読書の時間
  あんずの収穫

高等専修学校
  40周年記念事業
      校内施設・設備充実
  清水信一校長の著書 発売日決定
   「ダメ人間はいない
      学校で生徒はかわる」
  日本テレビ「ズームイン!! SUPER」・
    BS日テレ「スーパースポーツマガジ
    ン」で、ラグビー部、再び登場
  陸上部・卓球部も
      高体連の大会に出場

創立40周年記念事業募金
  報告
  創立40周年記念事業

お知らせ
  教育研究所
  資料室
  事務局
  追悼文集 
   学園創立の母 「北原キヨを偲ぶ」
           を差し上げます

    『東だより』 バックナンバー

 平成十四年度の教育については、三月の説明会で申し上げたように、日々の実践の反省を踏まえ、時代を先取りしながら、改善と発展の足取りをより確実なものにしていきたいと考えています。学習指導要領の改定に伴って新しい教科書に切り替わった小・中学校では、学習内容に例年と違ったものがありますが、どの教科も東学園の考え方にもとづく独特のカリキュラムで対応しています。
 武蔵野東学園の平成六年度以降の年々の改善と発展の足跡は、三月の説明会で配布しました 「武蔵野東学園の教育」 の p5~8 にまとめて記してあります。この八年間の武蔵野東の改善と発展の背後には、社会問題化した数々の教育問題や教育改革への論議、教育行政の対応などがあるわけです。それらを静かにみつめたとき、流動している教育がまるで生きもののように思われてなりません。
 流動し継続発展している学園の姿をいくつかの視点からみつめ直し、評価し反省するということは、きわめて大切なことだと考えます。いま仮に、(A) 幼・小・中・高の独自性や自立性の面ではどうか、() 幼・小・中・高の公開性や協調性の面ではどうかという二つの視点を設けてみつめ直してみましょう。() は、それぞれに自分のテリトリーをもちその境界線の中でしっかりやっているかということであり、() は自分の持場の境界を取り去ってグローバルな考え方でやっているかということに相当します。この二つの立場は、互いに対立し拮抗する関係にあるのですが、それらが調和し機能することが望まれます。武蔵野東の幼・小・中・高ではこの関係がうまく保たれていて、自立していて孤立せず、協調しているが依存せず、総合学園としての一貫教育の体制が維持されていると考えています。
 () のグローバルな考え方にもとづく教育の改善やその実践が近年とくに活発化しその成果が見られつつあります。その例として、小中一貫体制下のいろいろな行事や児童生徒の交流があります。また、幼・小の交流や、幼と中・高との交流、高の他校の生徒との交流などもあげられます。園児・児童・生徒間の相互の交流は、園校の枠を越えた心の触れ合いの教育であって、子どもだけでなく親からの好評も博しています。
 学園最大最高の交流は創立当初からの混合教育ですが、その原点にもどって心の通う教育をと努力を重ね続けていることは嬉しいことです。普通クラスの保護者に自閉症や治療教育の話をしたり、親も含めての混合教育の考え方が拡がりつつあることも嬉しいことの一つです。
 武蔵野東では、以前から教科の境界をとり払った総合的な学習に取り組んでいますが、これもグローバルな考えにもとづくものです。
 六月一日の職員半日研修会では、高等専修学校の学内公開授業があり、学園の全職員が高等専修学校の生徒や授業についての勉強を深めました。高等専修学校の概要や問題点に関する講話もありました。十月下旬にも中学校の学内公開授業が計画されていますが、これらは園校の境界を越えて教育を学び学園を広く理解しようとする職員のグローバルな態度と考えて下されば幸せです。
 新しい世紀のキーワードとして度々グローバリゼーションという概念が登場しています。この考え方が流行としてではなく、人間教育をさらに実のあるものにしようとする武蔵野東学園の姿勢として受けとめていただければ有り難いことです。