武蔵野東学園広報 第24号 【オンライン版
平成19年(2007年)3月12日発行

180-0012 東京都武蔵野市緑町2-1-10
Tel. 0422-52-2211 Fax. 0422-53-1090
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理事長 寺田 欣司

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 北原記念館が完成して一年、記念館の東側にしつらえたビオトープに新たな生命が誕生しました。昨年数匹入れた「おいかわ」や「くちぼそ」が、無数の子供たちを産んだのです。池のそばに立って中をのぞくと、群泳する小さな魚たちを見ることが出来ます。太陽光発電で動くモーターで循環する水、子供たちがポンプを使って地下の雨水枡からくみ上げて注ぐ水、これらが魚たちに格好の環境を与えているのでしょう。いまやビオトープは小学生たちにとってホット・スポットとなりました。
 昨年は記念館、記念体育館の建設、そして幼稚園や高等専修学校のリニューアルと学園は多額の投資を行い、教育環境の整備に努めました。その結果、子供たちの学習環境は飛躍的に向上しましたが、それに伴い施設維持費も増え、借入金利の支払いも増えました。しかし、教育センター、友愛寮などの新たな収入を中心に、収入増も実現しています。補助金の増額も期待されています。何よりも教育センターには、始動たった一年でいまや200名を越す外部の自閉児が通っています。経営的には大きな収入源です。
 もう一つ、昨年は30年間学園の事務長をされた、横山芳夫先生が亡くなられるという悲しい出来事がありました。私の二人の娘は横山先生のお導きでこの学園に入園することが出来ました。それから20年以上、横山先生とのお付き合いが続き、先生は私にとって本音で話せる親友でもありました。とりわけ、私がかつて金融機関に勤めていた経験がありましたので、学園債発行、銀行交渉などなど、この二十年間、横山先生は私に相談をしながら学園の財務運営をしてこられました。私はその横山先生のたっての依頼で、理事長に就任したのです。横山先生亡き後の私の役割は、これまで横山先生と相談しながら決めてきたことを、横山先生が生前自分の後任と指名した、鈴木新事務長と協力して整斉と実行することです。
 小学校には音楽教材としてのバイオリンが100台あります。これはキヨ先生の「お金があればまず、子供の教育環境をよくすることに使いなさい、どうしても必要な投資は、銀行から借金してやればよい」という考えに基づいたものであり、私もその考えを踏襲して学園を経営し、北原記念館や体育館を建設しました。これで自閉児、健常児を問わず、教育環境は大きく改善されましたが、おかげで当学園は多額の銀行借入をしました。
 収益を目的としていない学校では、設備投資をするとそれを回収するのに最低でも20年かかります。学園の資産は十分ありますから銀行はお金を貸してくれます、しかし銀行はそれを10年で返せと言います。これが学園の財務運営の難しさです。10年前私が利付き学園債による資金調達を発案したのはこの問題の解決のためです。学園債は開始以来累計で52億円が発行され、これまでに卒業生の保護者を中心に、14億円が償還されました。現在残高は38億円です。集められた資金は、運用などに一切回さず全額学園の設備費に投入しております。
 今の学園は多くの皆様に学園債をお引き受けいただいているおかげで、成り立っているといえます。保護者の皆様一人一人が、入学とともに学園債に応募され、卒業時にそれを償還する、あるいはおじい様、おばあ様が、ご自身の大切な老後資金の運用手段とされる。このサイクルが常に回っていれば、武蔵野東学園は永遠に不滅です。どうぞこれからもご支援のほどよろしくお願いいたします。


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