『人の心を豊かにするメンタルコミットロボット』としてギネス記録にも公認されているアザラシ型のロボット、パロ(PARO)が、7月4日に中学校にやってきました。これはある方からの寄贈によるもので、当日はパロを研究開発した柴田崇徳博士から生徒に手渡されました。
パロはタテゴトアザラシの赤ちゃんがモデルで、全身が白い人口毛皮に覆われています。メンタルコミットロボットと言われるのは、人と共存して、人との相互作用で楽しみや安らぎなど精神的な働きかけを行うことを目的にしているからです。パロは優れた視覚・聴覚・触覚・運動感覚があり、触れる人や環境の状況を感じることができます。光の変化を感じたり、名前を学習したり、挨拶や褒められる言葉などを理解したり、なでられたり、抱っこされたりすることを感じることができ、このような人とのふれあいから、パロにも心や感情があるかのように内部の状態が変化して反応の仕方が変わったり、鳴き声を出したり、飼い主の好みの行動を学習したりします。パロの鳴き声は、本物のタテゴトアザラシの赤ちゃんの鳴き声を使っているそうです。
ところで開発者の柴田博士は、つくば市にある産業技術総合研究所に所属して知的インターフェースの研究をしている若き研究者です。日本最年少(25歳)で工学博士になり、以来、数々の賞を受け世界中で研究活動をされています。本校とのご縁は博士がボストンに滞在された折にボストン東スクールを知ったことからで、最近のタイにおける研究では、パロが自閉症の子どもたちのコミュニケーション能力の向上に役立つことも実証されているとのこと。 贈呈式では、生徒から開発者柴田博士への質問もありました。
●生徒「なぜ、このようなロボットを開発しようと思ったのですか?」 柴田博士「人間の仕事に役立つロボットが一般的ですが、人間の心にはたらきかけをするロボットにも大きな役割があると思うからです。」
●生徒「パロの制作で大変だったことはどんなことですか。」
柴田博士「こわれにくくするための対処や、本物に近づける工夫、芸術性などです。」
今後、パロのお世話はCDEクラスの生徒が担当します。『人の心を豊かにする』ロボットは、これから生徒の新しい友だちになることでしょう。
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