武蔵野東学園広報 第21号 【オンライン版】    平成18年(2006年)3月31日発行

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北原記念館

 
 シンボルツリー「えんじゅ」について

 北原記念館のシンボルツリーは昔から幸福を呼ぶ木とされている「えんじゅ」を選びました。「えんじゅ」は学名を「CHINESE SCHOLAR TREE」で、SCHOLARは、学者、学ぶ人、教育ある人の意味があります。「えんじゅ」は子供達が幸せで勉強に励むことを願って選ばれた木です。

 

  環境配慮、自然と親しむ、を目指した施設

 北原記念館は、環境に配慮し、自然と親しむ、を目指したエコロジープロジェクトが盛り込まれた建物となっています。
 ビオトープと水田を敷地東側に設置し、児童のための自然教育用施設として活用しています。ビオトープでは、フナ、メダカ、タナゴなどを飼育し、蛍にも挑戦します。地階に設置する雨水貯留槽から水を汲み上げ、麦飯石で浄化し、ビオトープと水田の間を循環させています。動力は太陽光発電で動くモーターです。
 屋上に最大20KWの発電能力のある太陽パネルを設置しました。昇降口に設置される表示パネルで発電量を常に見ることができ、データは理科室の計測用コンピュータに蓄積され、新エネルギー財団との共同研究に活用されます。
 また、屋上には天然芝の青空教室を設け、児童、教育センターのプログラム参加者、友愛寮利用者などの憩いの場として活用します。屋上庭園はヒートアイランド対策のひとつとしても有効です。
 2階には、5年生、6年生の教室、図工室、音楽室があります。教室には多くの木製の家具を配し、壁にも木を使用しています。
 2階、3階のバルコニーに、煉瓦ブロックを使用し、風通しのよい目隠しとして、より自然を感じられる施設となっています。
 地階には、直径4メートル・高さ2メートル(容量12トン)の円形木製受水槽を設置して、北原記念館全館に飲料水を供給します。天然の素材(米ヒバ)を使用しているので浄化作用に優れ、水質を改善し、「飲料水をとおした森林浴」を楽しめます。
 ロビー、会議室、事務室、理事長室では、学園が永年使用してきた家具や調度をそのまま利用し、またリサイクルセンターで廉価に調達した機器を設置するなど環境配慮を目指した「節約」にも努めました。

  地域に開かれた施設

 交差点に面した学園の敷地のかなりの部分を公共スペースに提供しました。これまで狭くて歩行者と自転車がすれすれで通っていた歩道が明るく広々とした歩道に変わりました。単に広くなっただけではなく、そこにはハナミズキやヤマボウシのほかにもイロハモミジ、ラベンダー、ローズマリー、ブルーパシフィックなど季節を彩る木々花々が植えられています。歩道の広がりに合わせて所轄警察が横断歩道を広げて下さいました。
 地下には多目的ホールが作られました。児童や保護者が使用するだけでなく、学校や学園で使用しないときには、地域の皆様に貸し出すこともできる多目的ホールです。目の前のサンクンテラスに植えられたシンボルツリーの「えんじゅ」の学名にちなんでスカラーホールと呼ぶことにいたしました。このホールは南側の歩道から直接サンクンテラスに降りて入れるようにデザインして、外部の方がこのテラスとホールだけを使用していただけるような構造にしています。ホール内には音響設備、テーブルと椅子、ステージなどが完備されていますし、4月には後援会から自動演奏機付きピアノが贈られて、このホールに置かれることになっています。
 もう一つ、地階の床下には大きな雨水貯留槽が設置されました。普段はトイレや散水で利用することになりますが、災害時には1,000世帯が1週間使うことのできる生活用水として雨水を利用できます。小学校4階プールの水は防火用水として、また、北原記念館の雨水枡は防災用水として、地域の皆様に貢献することになります。
 “Challenge Shop ゆう&あい” は、3月26日(日)にプレオープンし、4月6日より通常営業を開始します。
 ※通常の営業時間は8:30から15:00となります。
 尚、“Challenge Shop ゆう&あい” は、近隣授産施設の自主製品や高等専修学校の生徒が制作した陶芸作品、貴石などの展示販売をはじめ、ちゃぴ~テヅカさんの販売も行います。当然のことながら、喫茶や軽食もとれますから、是非一度足をお運び下さい!そして、この販売活動や接客業務に関わる生きた教材を、武蔵野東学園に学ぶ児童、生徒のインターンシップの場としても活用して参ります。

  自閉症児教育のセンターとしての施設

 3階の武蔵野東教育センターでは、学園の教育を求めて全国から来訪される多くの方々のために充実した施設を用意しました。大小の療育ルーム、運動もできるプレイルーム、100名を収容できるセミナールーム、教育相談室などが完備され、療育、保護者支援、支援者養成の様々な活動の展開が可能となりました。自閉症児教育の中心的役割を担うとともに、その取り組みを広く発信していくことを目指していきます。

 4階には、親亡き後のことを考えた『真の自立』をテーマに、学園独自の通勤寮を立ち上げました。当初予定していた就労している自閉症の卒業生に加え、健常な在校生にも入寮の門戸を広げ、寮内における混合教育のステージも整備されました。各入寮者の状況に応じた適切な支援を心がけ、東ならではの温かい寮を目指します。
 一方、地下には卒業生が既にお世話になっている企業との連携をとった、自閉症者のための就労スペースが確保されています。

友愛寮 広々とした寮室 (友) 家庭的な食堂
ビオトープ *
木製受水槽 *
交差点から見た記念館 *
スカラーホール *
 明るいチャレンジショップ内 *
(チャ) 正面入口
教育センター 療育ルーム
(教)プレイルーム
(教)セミナールーム
(教)教育相談室
(教)ラウンジ
(友) 開放感あふれる廊下 (友) 明るい浴室 (友) 清潔な洗濯場

* 印 … 撮影:SS東京 石井

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