題字  野田 彰先生

武蔵野東学園広報 第11号 【オンライン版
平成14年(2002年)12月18日発行

180-0013 東京都武蔵野市西久保 3-25-3
Tel. 0422-54-8611㈹ Fax. 0422-51-0267
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   学園祭は 壮大な総合的な学習
            ― ひとつの教育の見方・考え方 ―
                               学園長 野田 彰

目  次

 学園祭は壮大な総合的な学習
  ― ひとつの教育の見方・考え方 ―
          学園長  野田 彰

学園総合
  創立40周年記念事業
 ・中学校の校舎増築始まる
 ・幼稚園もこんなに使いやすくなりました
 ・記念事業近況

幼稚園
  子どもたちに大人気 「ピポパ」ちゃん
  隊長二回目の来園
  消防士になりたいな

小学校
  重点 「個を見つめる」「融和」
  日本水泳連盟 「優秀小学校」に
   選ばれる

中学校
  
やわらかな知性、温かい感性を育てる
   『生命科』の授業
  学園祭 裏方の生徒たち
  4年連続で入賞!『優秀賞』
   (毎日カップ「体力つくりコンテスト」

高等専修学校
  多摩地区唯一
   「体育科」 15年度開設
  清水信一校長の著書
   「ダメ人間はいない
      学校で生徒はかわる」
   発売後、大きな反響が!
  1年B組担任、天宮一大著書
   「ラグビーボールを抱きしめて」
   来年2月15日、発売決定

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    『東だより』 バックナンバー

 今年の学園祭プログラムの序文には、「学園祭は、学園の壮大な総合的な学習の単元だ……」と書きました。このあまり聞きなれない表現に、何のことか?と思われたかもしれません。
 総合的な学習とはご存じのように、一つの教科の学習ではなく、教科の枠を越えた学習などのことです。その内容は一人ひとり違うこともあれば同じ場合もあります。教科書もなく、今までのようなテストもありません。自分(自分たち)で問題・課題をみつけて主体的に取り組んだり、調べ方や解決の方法を考えて、調べるとか理解するとか作るとか出来るようになるとか、とにかく自分から進んで取り組む学習です。子どもの生活の中から生まれた超教科的な問題解決学習ということもできるでしょう。この総合的な問題の解決には、教科的な力が必要なことは言うまでもありません。
 右のような総合的な取り組みは、幼稚園での毎日のくらしや学習の中に生活の原形の姿で見られますし、高等専修学校生徒の行事へのかかわりの中には、ほぼ完成に近い形で総合的な活動が展開されています。しかし、典型的な学習の単元は、小~中の実践の中によく見られます。
 小学校一~二年生の「秋まつり」、五年生の「稲作」、六年生の「沖縄学習」や中学校の「生命科」などは、総合的な単元の典型的な一例といえましょう。武蔵野東独自の単元で充分な時間が配当されています。この時間は、普通、多くの教科内容の精選によって生み出されたゆとりからというのが一般的な説明です。それから、中学校の「生命科」は、三年間のロングワークの大単元で、生命に関する広範な問題と取り組んでいます。 その中学校のロングワークの大単元である「生命科」よりも、もっと長期で大きな大々単元が学園祭だと言いたいのですが、どこまで理解していただけるでしょうか。
 学園祭は言うまでもなく、一つの教科の行事ではありません。学園祭は、いくつもの教科や教科外の活動やいろいろな生活などから学びとったものを、展示・公開・発表・実演などでディスプレーする総合的なワークそのものです。学園祭はさらに、学園側や保護者がつくってくれた環境や祭りの雰囲気の中で、自由に行動し、さわぎ、楽しむといった生活そのものを丸飲みにした大きな単元(ユニット)なのです。
 さらに幼~小~中~高の生活で十二回ないし十五回の学園祭を経験する子どもたちへの教育的な効果・意味を考えたとき、壮大な教育の構造物を思いおこさせます。子どもたちは十数回も成長に応じて、記念式典・展示・催し物・発表会・バザー・模擬店・アトラクションなどを経験し満喫し心に刻み込んで卒業していくのです。だからこそ、「学園祭は、壮大な総合的な学習の単元だ」と言いたいのです。
 この学園祭を創り育てた創立者が、夢に描いていた学園祭とはどんな学園祭だったのでしょうか。生前によく口にされていた「生活カリキュラム」や「自然の摂理」などの言葉と学園祭との接点を考えながら、「壮大な総合的な学習」としての学園祭が、今後も育っていけばと思っています。