1月6日(土)の午後、第28期生成人を祝う会が行われました。これは、武蔵野東高等専修学校を巣立った卒業生たちが成人を迎えるにあたり、地域等の成人式セレモニーに出席が難しいケースもあるため、気軽に母校に集い、成人を祝う機会を設けようと23期卒業生から始まったものです。本校とむらさきOB会の共催で、本人、保護者の他、多数の教員も参加し、近況報告や記念撮影等楽しい時間を過ごすものとなっています。今回も仕事上の都合で出席できなかった卒業生を除き、9割弱の卒業生とその保護者の皆さん、そして私たち教員が集いました。
卒業して早2年、それぞれが社会で揉まれて、顔つきも大人っぽくなっていました。近況報告が始まり、元C組の卒業生の出番となりました。皆が、元担任と副担任と共に壇上に上がり、報告が始まろうとしたとき、彼らの傍らには在学中の良き相棒であったバディの姿がありました。マイクをもって話しやすくしてあげたり、話す内容を耳元でささやいてリードしてあげたり、緊張をほぐすために肩を組んで声をかけてあげたりと、在籍していたあの頃と変わりのないものでした。教員が声をかけたわけでもなく、保護者の方がお願いしたわけでもなく、自然にそのような場面ができあがっていたのです。武蔵野東学園の教育の柱である「混合教育」の成果が、在学中だけでなく、卒業してもなお継続されていることの証を目の当たりにした出来事でした。
さて、本校の教育の柱となるものは、「職業教育」と「混合教育」です。これは、国の施策である「職業教育、キャリア教育の推進」、「特別支援教育、インクルーシブ教育の推進」と進むべき方向が一致しています。また、文部科学省の方々をはじめ、来校見学される皆様からは、「武蔵野東は特別支援教育・インクルーシブ教育のパイオニアである」と評価されています。故に本校は、先導校として、これまで取り組んできた教育をさらに推進、進化させていく使命があることを自覚し教育を展開しています。
平成27年度より文部科学省より委託を受け、①『混合教育の教育効果の実証と普及・啓発及び発達障害など特別に配慮が必要な生徒が学ぶための教育カリキュラムの開発・実証事業』と②『発達障害のある生徒など特別に配慮が必要な生徒の就労支援及び卒業後の定着フォロー支援の普及事業』の2事業を3年間継続して推進し、その成果をまとめました。
①では、本校で実践している混合教育の教育効果について実証し、教育実践記録の取りまとめ、混合教育モデルカリキュラム集の作成、障害のある人への理解教育のためのカリキュラム及び教材開発を行いました。②では、本校で実践している当該生徒の就労支援及び卒業後の定着フォロー支援についての取り組みを事例集や映像としてまとめました。
これらは広く全国の高等専修学校をはじめとする教育機関に普及することを目指したものであり、さらに広く発信することにより、社会における障害のある人への理解推進、ノーマライゼーションの実現、障害のある人の就労の門戸拡大につながるよう努めていきます。
混合教育の環境下で学び巣立った東っ子たちが、これは本校のみならず、学園の幼稚園、小学校、中学校を含めて、社会におけるノーマライゼーションの実現に向け、さらに一人一人が主体となって、社会という大きな枠組みの中で、混合教育を展開してくれると信じています。
そのためにもこの武蔵野東学園の混合教育の取り組みを広く発信していけるよう私たち教職員も取り組んで参ります。今後とも本学園の教育にご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
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